「お昼にコンビニ弁当食べるのが夢」年収230万円・独身44歳の介護職男性の嘆き (1/2ページ)

デイリーニュースオンライン

介護職の成り手がいない!(写真はイメージです)
介護職の成り手がいない!(写真はイメージです)

 介護・福祉業界の人材不足の加速化が止まらない。全国の介護福祉士を養成する大学・専門学校の数は2008年度には507課程(434校)だったが、2013年度には412課程(378校)へと5年で約2割の減少をみせた(『毎日新聞』5月26日付)。激務に加え、給与面での待遇の悪さがその理由だ。

「40代でも月収20万円も貰えれば好待遇でしょう。年収350万円もあれば福祉業界では“高給取り”です。社会にとって重要な仕事なので給与面から何とか是正したいところですが、現状では厳しいものがあります。このままだと福祉に人材が集まらなくなってしまう」(厚生労働省関係者)

 実際、40代でも月収20万円を切るのが福祉業界ではさほど珍しいことではない。正職員といえども身分は不安定、かつ低収入だ。

「20年前、地場メーカー勤務から福祉の世界に転じました。人に喜んで頂ける仕事がしたいなと。でも当時で月収は13万円でした。収入はメーカー時代の半分以下です。今では昇給しましたがそれでも月収は16万円です。ボーナスは冬に1か月分、夏に1か月分、年収は約230万円です」

 こう話すのは関西で主に認知症罹患者を預かるデイ・サービスや24時間体制の有料老人ホームを展開している福祉法人で勤務する山藤啓治さん(仮名・44歳)だ。シフト勤務だが週休2日、月に2度の夜勤もあるが、職場への不満はさほどないと語る。

かつて勤めていた職場の同期の年収は650万円

「お世話させて頂いている人生の先輩方と接することで自分も元気をわけて頂いていますから。やりがいは半端ないですよ」(山藤さん)

 だが、給与面となると不満は募る。山藤さんの大学同級生で一番の高給取りは年収1300万円の外資系金融機関勤務、在京キー局勤務の年収1200万円が後に続く。かつて勤務していた地場メーカーの同期でも年収650万円だ。外資系金融、在京キー局に比して約半分の年収だが、福祉業界に転じた山藤さんにとっては、かつての職場の給与はとてつもなく高額所得に映る。正直、職場を離れたことに多少の後悔の気持ちもある話す。

「大学の同級生たちと飲んだ時など、皆、『お前、大丈夫か? ここは俺が持つから』と気を遣ってくれます。自分たちの先輩のなかには、『福祉という崇高な仕事に携わっているのだから遠慮するな』という人もいます。でも自分はそこまで開き直れません」(同)

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