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一定の割合で発生する身体障害や奇形は人類の進化に重要な役割を果たしていた可能性(英研究)
一定の割合で発生する身体障害や奇形は人類の進化に重要な役割を果たしていた可能性(英研究)

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 歴史を通して、身体障害者は避けられ、ときに迫害すら受けてきた。だが、進化の新理論によれば、身体障害や奇形が人類を発達させるうえで重要な役割を果たしたらしい。英ヨーク大学とニューカッスル大学の人類学者は、遺伝的な身体障害が初期の人類を社会的で協力的な存在にすることを強いたと確信している。

 彼らの主張では、我々の祖先は、小規模の集団が孤立して存在した進化のある時点で遺伝的なボトルネックに直面し、近親交配の確率が高まったという。これは、弱い顎、体毛の薄い身体、木を登るには不適切な弱い腕、まっすぐな足といった”身体障害”がこの時代に現れた可能性を意味している。

 このような障害者の子孫が生まれる確率が高い状況では、”最適”な個体とは、必ずしも”最高”の遺伝子を持った個体ではなく、障害と生きる子孫を助けることができる個体だ。すわなち、賢く、柔軟で、思いやりに溢れた個体が有利になるようになった。このようにコミュニケーションといった社会的な性質や、実験を行う能力を発達させたことで、遺伝子によって投げかけられた困難に対応することが可能になった。

 “脆弱な類人猿”モデルが提唱された『インターネット・アーキオロジー』誌の論文では、人類の進化論は書き換える必要があると主張している。現代進化論は、種の雑種化について考慮しておらず、人口は独立した単位へ分岐すると仮定している。しかし、本研究グループは、初期の人類と類人猿は、進化のいくつかの段階で分岐し、雑種化した可能性があると主張する。

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 研究に携わったニューカッスル大学芸術文化学部のウィンダー博士によれば、”適合”という概念について再考が必要であるそうだ。
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