"怪物ルーキー"清宮幸太郎をプロはどう評価する!?|プチ鹿島コラム
「中年の星」といえば宇宙飛行士の油井亀美也さんだが、「オヤジジャーナルの星」といえば早実の1年生・清宮幸太郎である。たとえば今週のこの記事。
●早実の清宮 生中継終了で大騒ぎ「見せろ」注目度も怪物クラス (スポニチ)
《今夏高校野球の“怪物ルーキー”として注目されている早実・清宮幸太郎内野手(1年)が出場した西東京大会準々決勝「早実―八王子学園八王子」戦が22日、MX TOKYOで生中継されたが、2回の時点で放送が終了。ネット上では「やめるな」「放送できなかったのか」と打ち切りを嘆く声があふれた。》
父親がラグビーのヤマハ発動機の清宮克幸監督であり、中学1年生のときにリトルリーグ世界一。米メディアから「ジャパニーズ・ベーブ・ルース」と言われた少年がこの春、早稲田実業に入学。夏の予選で期待通りの活躍をしている。オヤジジャーナルにとっては「新聞が売れる男(少年)」の登場である。
プロのスカウトが分析した"怪物ルーキー"の将来性
さてこれだけ話題だと、気になるのは将来性である。過去で言うとどんなタイプの選手なのか。オヤジジャーナルはきちんとそんな欲求にも応えております。
●早実・清宮は“真の怪物”なのか プロスカウトがシビアに評価(日刊ゲンダイ7月23日)
記事中の評価をまとめてみると、
「松井や清原の高校時代と比べると、長距離打者としては疑問。彼らは高1のころからフォローが大きく、他の選手と比べてスイングがケタ違いに速かった。清宮はフォローが小さく、絶対的なスイングスピードも足りない。」(在京球団のスカウト)
「先天的な長距離打者は打つポイントが前にある。が、清宮は違う。どちらかといえばポイントが近い。大谷のようなタイプ。広角に打ち分ける中距離打者ですね」(在阪球団のスカウト)
「1年春の段階では、教え子の筒香(DeNA)の方が打撃フォームはスムーズだったように思う」(横浜高元部長・小倉清一郎氏)
続いて東スポ。
●元スカウト・片岡宏雄氏が見た怪物1年生・清宮「高橋由伸タイプ、柔らかさは筒香」(東スポ7月24日)
こちらでも元スカウトたちが語っている。
「清宮くんはものすごくスケールがでかい。私もヤクルトで33年間スカウトをしていたけど、高校1年生としては群を抜いている。こんなにスケールの大きい1年生は見たことがない。(略)タイプとして一番、近いのは高橋由伸(巨人)かな。打撃の柔らかさでは筒香嘉智(DeNA)にも近いかも知れない。」(片岡宏雄)
「篠塚(巨人)にパワーをつけたような選手というのが一番、しっくりいくかも。」(得津高弘)
ここまで読むとなんか見えてくる。あの巨体に目がいくけども、例にあげられるのが篠塚とか高橋由伸とか大谷翔平でわかるように、バッティングの柔らかさが褒められている。怪物というフレーズが先行しているぶん意外だが、やはりプロの目を通してみると面白い。
まだ16歳の清宮。みんな自分の16歳の頃のことを思い出してみるといい。……途方もない可能性と時間があることがわかる。それこそ清宮の怪物性である。
著者プロフィール
お笑い芸人(オフィス北野所属)
プチ鹿島
時事ネタと見立てを得意とするお笑い芸人。「東京ポッド許可局」、「荒川強啓ディ・キャッチ!」(ともにTBSラジオ)、「キックス」(YBSラジオ)、「午後まり」(NHKラジオ第一)出演中。近著に「教養としてのプロレス」(双葉新書)。