先の参院選で自民党が圧勝、単独過半数を占めることになった。安倍首相はアベノミクスが信任を得たと、さらに押し進めようとするが、我々庶民の懐が温かくなる兆しは見えない。「戦後、吉田茂や池田勇人といった高い評価を受ける総理大臣は何人も現れましたが、“今の首相が、あの人だったら……”と語られる人はあまりいません。その名が何度も蘇るのは田中角栄だけです」
こう熱弁するのは作家の大下英治氏だ。大下氏は『田中角栄の新日本列島改造論』(双葉社刊)を上梓。生前の角栄を知る人間の証言から、現代日本の問題を“角さんなら、こうする”という視点で分析している。今なお待望論が叫ばれる角栄について、大下氏はその魅力を、こう解説する。
「角さん以前の政治家は皆、旧帝国大学を出た官僚出身者ばかりでした。彼らは優秀で守りの政治は得意でしたが、新しい何かを創ることは苦手なんです。それに対して角さんは小学校卒業の学歴しかなかったが、早くからビジネスマンとして活動していた分、経営者の視点で国政を見ていた。それだけ“アイデアマン”だったんです」
これを象徴するのが「財源がなければ作ればいい」という言葉だ。全国に高速道路と新幹線を張り巡らす財源確保のため、ガソリン税や自動車重量税を作り出したのだ。
角栄が遺した名言はまだまだある。現代日本を救うヒントとなりうる言葉を紹介していきたい。〈俺の目標は、年寄りも孫も一緒に、楽しく暮らせる世の中を創ることなんだ〉 高齢化社会と待機児童問題で揺れる現代社会には、まさに必要な言葉である。「実際、介護施設での老人虐待や、育児疲れによる幼児虐待が続出しているだけに、田中角栄が存命していたら、すぐに手を打っているはず」(政治評論家)
また、誰よりも後継者を育てたと呼ばれる角栄だが、今の政治家にも活きる助言を残している。〈政治家は発言に、言っていい事・悪い事、言っていい人・悪い人、言っていい時・悪い時、に普段から気を配らなければならない〉 不注意な発言で退任に追い込まれる政治家が多い昨今では、まさに金言。
最後に大下氏から角栄の一番だと思う言葉を選んでもらおう。「彼の言葉“人間は皆失敗する。できそこないだ。そのできそこないを愛せるかどうか。そこにすべてがかかっている”というのが一番好きですね。角さんは、自民党内の別派閥の人間の面倒はもちろん、野党の人間の面倒まで見ていました。人間力が違います」
コンピュータ付きブルドーザーと呼ばれた史上最強の政治家・田中角栄。彼の遺した金言は、我が国が抱える問題をならしてくれるはずだ。
「史上最強の政治家」田中角栄“現在の日本を救う”金言集
2016.09.25 15:00
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