50代フリーライター「タクシー運転手」副業は意外とウハウハだった!(3)ホテル難民に車両を貸し出し

| アサ芸プラス
50代フリーライター「タクシー運転手」副業は意外とウハウハだった!(3)ホテル難民に車両を貸し出し

「タクシーを転がしている」と言うと、多くの人から「道を知らないとできないでしょ?」と聞かれる。私自身、ライターをしていた時はそう思っていたが、実際に蓋を開けてみると、ドライバーに求められるのは「地図的な知識」よりも「乗客への対応能力」というのが実感だった。

 例えば乗客から「急いで東京駅に行ってください」と言われたとしよう。この時、自分でルートを選ばずに「ご指定のルートはございますか?」と確認するのだ。なぜなら勝手に道を選ぶと、渋滞にハマった場合、客のイライラはこちらに向けられる。下手をすると苦情ざたとなるが、客に選択させれば運転手のせいにはならない。つまり主導権を相手に渡してトラブルを防止するのだ。

 客が道を知らなければカーナビに頼ればいいし、何よりカーナビがあれば知らない場所でもどうにかなる。深夜の客にも、

「ご住所を教えてくださいませ。ゆっくりお眠りいただけますので」

 と、優しく受け答えできる。

 トラブルや苦情が会社や近代化センターに入ると面倒なことになるが、トラブルを防ぐのにいちばん大切なのは、

「とにかく気分よく乗ってもらうこと」

 ドアを開けた瞬間、「はいどうぞ!」と笑顔で出迎えると、客も安心できる。気分よく乗ってもらえばこちらも気分がよくなる。すると知らずにツキに恵まれ、懸命に流すうちに売り上げが上がることを体感した。

 気になる稼ぎといえば、金土の稼ぎ時は1日7万円、月~木は5万円といったところ。平均は1日6万円前後だ。私は副業のため労働時間をセーブしているが、正社員になった場合、月に72万円、手取りはおよそ35万円といったところ。公休出勤も含めれば、年収ベースで500万円ぐらいだろう。

 老若男女、いろんな乗客がいて飽きないが、中でもおもしろいのが「ホテルに行きたいカップル」だ。

 春も間近い3月、金曜の3時過ぎ。都心に戻る途中で手があがった。乗せたカップルの行き先は「湾岸沿いのホテル」。逆方向だが、こういった客はおもしろい。メーター料金が「読めぬ」うえに、格好のネタになるからだ。

 案の定、そのホテルは満室だった。こうなると「ホテル探し」が始まる。葛西、浦安、本八幡と探しまくるも満室のオンパレード。

ピックアップ PR 
ランキング
総合
社会