「神戸牛は希少なので恒常的に不足していたが、客の要望に応えたかった」(料理長)
10月下旬、JA全農兵庫が、直営レストラン『神戸プレジール』本店(神戸市中央区)で神戸牛と偽って但馬牛を提供していたことを発表。地元は困惑しきりだが、同時にその意外な原因も囁かれている。
『神戸プレジール』は、東京・銀座5丁目にも支店を構える有名店。その本店で、内部の通報を受けたJA全農兵庫が料理長の聞き取り調査を行い不正が判明。偽装は'16年4月以降、約3200食分に上り、正規の料金との差額は約1000万円になるという。同店では100グラム当たりフィレ肉単品は但馬牛5500円だが、神戸牛は8000円だった。
なぜ、このような事態が起きたのか。
「背景には、輸出拡大と外国人観光客の需要急増による神戸牛の不足、価格高騰があります」
とは、精肉店関係者。
神戸牛の輸出先は、すでに21カ国にまで拡大し、JA全農が指定する海外のレストランは159店舗(7月現在)にまで需要が拡大している。
「国内ではこの5年で、1.5倍にまで値が上がっていて、置いているのはデパートや老舗精肉店ぐらいです。お歳暮商戦の時期ですが、地元市民でさえ“高くて手が出させない”と敬遠されているんです」(同)
これに追い打ちをかけているのが外国人観光客の急増なのだが、人気ぶりには意外なあの人物とも“縁”があるという。
「“号泣議員”として一躍有名になった、野々村竜太郎元兵庫県議会議員ですよ。彼が“現地調査”と称して106回も日帰り出張していた城崎温泉は、同県を訪れる外国人観光客のルートに入っている。野々村元県議の騒動から、地元では、悪いイメージを払拭するために案内パンフレットの多国語版を用意するなど地道な努力をし、呼び込みに成功したのです」(地元記者)
いまや外国人観光客にとって、神戸牛-姫路城-城崎温泉は旅行日程の定番となり、神戸、三宮、元町でもJA全農の指定以外に神戸牛の看板を掲げるレストランが急増した。その数はすでに80店舗とも言われている。
「それにもかかわらず、全国で繁殖牛の減少が進んでいる。兵庫県は繁殖牛を増やす策を強化していますが、追いつかない状況なのです。とはいえ、今回のような偽装、しかもJA全農の直営レストランでの偽装はあってはならない。海外のレストランで同じような事が起これば、国際問題にも発展しかねませんからね」(地元食肉業者)
偽装と号泣議員、まったく泣くに泣けない。
JA全農兵庫の直営店が神戸牛偽装! その背景に“号泣議員”の影
2017.12.21 10:00
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