ゆうちょ銀行、かんぽ生命保険、日本郵便3子会社からなる日本郵政が、4月2日に不動産子会社、「日本郵政不動産」を立ち上げた。同社は日本郵政の完全出資で、資本金は150億円、社員は50人程度というが、早くもこれを不安視する声が上がっている。
日本郵政の不動産事業は、これまで日本郵便が中心となって、東京駅前や名古屋に大型複合ビル『KITTE(キッテ)』を展開したり、遊休地を利用した駐車場『ポスパーク』などを展開していたが、今後は順次、新会社に運営を移行するという。郵便局が不動産という畑違いとも思われる事業に乗り出す狙いの背景を、経営コンサルタントが、こう解説する。
「日本郵政は昨年、海外投資の失敗などで'07年の民営化以来初となる289億円の赤字を出した。稼ぎ頭だったゆうちょ銀行は低金利で不振、加えて本業の郵便事業を引き受ける日本郵便は、インターネットの普及で年賀状利用者がガタ減りするなど、事業自体が縮小の一途をたどっている。日本郵便などは、正社員、非正規スタッフ併せて40万人。これを抱え、どのように強い経営体質に変えるかが、課題だったのですが、それも策が尽き始めているのです」
日本郵便では、全国200カ所弱に不在時でも荷物を受け取れる宅配ロッカー『はこぽす』の数を増やし、ポイント制度を設けて利用を促して再配達の労力をカットした。さらに、縮小する郵便事業の補強策として郵便はがきを52円から62円に、宅配便『ゆうパック』の個人向け料金についても3月に100円〜200円値上げした。加えて、ふるさと納税では自治体やふるさと納税事業者との連携で、返礼品を郵送する料金収入で売上を伸ばす郵便局も出てきてはいるが、これらはトータルしても微々たる効果。そこで、さらなる“収益の柱”の必要に迫られていた。
「そうした中、白羽の矢が立ったのが不動産業。一度の売買による収益幅が大きく、全国に約2万4000カ所ある郵便局の他、かんぽの宿など優良な土地を多く持つ。所有する土地の面積は東京ドーム5万5000個分にもなると言われ、その総資産は2兆7000億円〜3兆円とも言われています。
郵便事業頭打ちで迷走する日本郵政の不動産会社設立の不安
2018.04.16 15:00
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