6月12日にシンガポールで米朝首脳会談が行われた。その席で、朝鮮半島の非核化と北朝鮮の体制保証が合意されたが、日本が要求した拉致問題の解決は議題にはあがったものの、共同声明には盛り込まれなかった。ボールは、今後の日朝交渉に委ねられた形だ。
日朝首脳会談の5日前、アメリカのトランプ大統領は、ホワイトハウスでの安倍総理との日米首脳会談のあと、共同記者会見に臨み、「北朝鮮との間で拉致問題を間違いなく確実に議論する」と述べていた。
しかし一方で、日朝首脳会談が成功した場合には、北朝鮮を経済支援していくことで日米が一致したことを明らかにするとともに、「日本と韓国は経済面でとても大きな支援をするだろう」とクギを刺した。数兆円ともいわれる巨額の請求書が日本に回ってくるのは、ほぼ確実な情勢なのだ。
トランプ大統領は、自国のことしか考えていないから、北朝鮮が核兵器と長距離ミサイルを廃棄すれば、それで満足だろうが、巨額の経済負担をする日本は、拉致問題の解決なしに支援はできない。ただ、重要なことは、日朝交渉は、拉致問題に限定することなく、北朝鮮の人権侵害をやめさせることを主眼にすべき点だろう。
もちろん日本人拉致問題は、北朝鮮による人権侵害の典型であり、象徴なのだが、北朝鮮が拉致したのは、日本人だけではない。韓国人もたくさん拉致されている。
また、日本人の人権侵害という意味では、北朝鮮に帰国した日本人妻やその子供たちへの人権侵害が大きな問題だ。日本では、1950年代から'84年にかけて、在日朝鮮人の北朝鮮への帰国事業が行われた。「地上の楽園」というキャッチフレーズに誘われて9万人以上が帰国したが、そのなかには7000人程度の日本人妻が含まれていた。しかし、資本主義国からやってきた彼らを待っていたのは、厳しい監視と激しい差別で、彼らの人権は蹂躙され続けてきた。帰国事業を推進した日本政府には、この人権侵害にも大きな責任がある。
さらに、北朝鮮による人権侵害の最大の被害者は、北朝鮮国民だ。北朝鮮では明らかな基本的人権の侵害が続けられてきている。思想、表現及び宗教の自由がなく、国家が主導して国民を出自により階級分化させている。
森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 北朝鮮支援の条件は何か
2018.06.28 08:00
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