近畿地方の地震、西日本の大雨など自然災害が猛威を奮っている今だからこそ、デマ情報にはよりいっそう注意したいものである。
1983(昭和58)年3月17日の読売新聞夕刊によると3月16日、東京・大手町にある気象庁に電話が殺到したという。
その内容は「3月17日の朝、関東に大地震が起こるという噂がある。本当か?」という内容のものだった。中には「明日の地震に備え、避難経路を教えてほしい」「震源地は銚子沖だと聞いた」「午前6時から9時の間という話も聞いた」などと恐怖に怯えた電話もあり気象庁は翌朝まで大パニックに陥ったという。
もちろん「地震が○○時に起こる」などと具体的に予測することは2018年現在も不可能であり、これは何者かが流したデマ情報であるのは火を見るより明らかだ。
さっそく調査を開始したところ、デマの発祥元はすぐに判明した。
3月16日、TBSで生放送していたとある歌謡番組で、司会の女性タレントが放送中に「近々、震度8の地震が発生するらしいですよ」と冗談で発したコメントがお茶の間に広がったのだった。
さらに調査を進めると、この歌謡番組の前に同じTBSでお昼のワイドショー番組が放送されていた。出演していたあるタレントが同様に、地震の噂を流していたことが明らかになった。そこでは歌謡番組のときよりも具体的に「これは人から聞いた話なんですが、明日の朝に震度8の地震が発生するらしいですよ」という会話があったのだ。
なお、この噂を広めたのはTBSの番組だが、いったい誰が言い始めたのかは分からなかったという。
事実を認めたTBSの文化情報部長は3月17日付の各紙の夕刊に「世の中を騒がしてしまい申し訳ない。二度とこのようなことのないよう努めたい」と謝罪している。
この放送事故は、TBS社内では現在も新人教育の現場で引き合いに出されることがあるそう。知る人ぞ知る放送事故となっているという。
文:穂積昭雪(山口敏太郎事務所)
【放送事故伝説】「明日震度8の地震が来る!」気象庁に問い合わせ殺到のデマ、意外な発祥元は
2018.07.15 20:00
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