2018年上半期のトレンドといえば「Amazon Echo」や「Google Home」といった「スマートスピーカー」は欠かせません。人工知能(AI)が内蔵されていることから、いよいよ近未来のテクノロジーが本格的に日常に入り込んできたと期待している人も多いでしょう。
私たちの生活を変えるかもしれない「音声インターフェース」。その可能性と課題はどこにあるのでしょうか?
ソニー株式会社でユーザーインターフェースやネットワークに関する研究開発に携わり、音声UXデザインチームを作り統括。2014年に独立し、音声UIやUXデザイン(顧客体験設計)に関するコンサルティングや研究開発に携わる河野道成さんは、『音声に未来はあるか?』(日経BP社刊)で丁寧に現状を分析しながら、「課題は山積み」だと指摘します。詳しくお話をうかがってきました。
(新刊JP編集部)
――河野さんが上梓された『音声に未来はあるか?』は、音声インターフェースの現状についてまとめられていますが、その中で課題を指摘する記述も多く見受けられました。河野:スマートスピーカーの発売以来、音声インターフェースは注目を集めているのですが、ある意味スマートスピーカーという商品の比較に終始してしまっていて、音声認識の技術まで踏み込んだ話ってあまり出ないんですよね。だから、技術の話とUIやUXデザインの話を絡めた本を書ければと思っていました。
――河野さん自身は以前勤められていたソニーで音声UXデザインチームを率いていたそうですね。河野:そうです。ソニーの中には、音声に関する技術を研究するプロフェッショナルたちがいるのですが、技術先行になりがちなところがあって、技術を前提にサービスを作るという流れになりがちでした。
もちろん研究開発は最も大事です。ただ、ユーザーにサービスとして提供する場合、ユーザーが快適に使ってもらうために適した形にしなくてはいけません。要素技術の研究者はそれぞれ専門性が高く独立しているだけに、他の技術との組み合わせ(統合)や体験設計までしっかり考えるのは難しい状況にあります。