電池革命。従来のリチウムイオン電池の2倍のエネルギー密度を実現する固体電池が開発される(オーストラリア研究)
2019.12.07 18:30
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カラパイア
Image by Rick_Jo/iStock
今やリチウムイオン電池がない生活など考えられないだろう。自分は関係ないよ? いやいや、そんなはずはない。あなたが今握りしめているスマホだってそのおかげで動いているのだから。
2019年、「リチウムイオン電池の父」と呼ばれる吉野彰さんらが栄えあるノーベル化学賞を受賞したことからも、いかに偉大な発明であるかわかるはずだ。
そんな偉大な発明であっても問題がまったくないわけではない。それは本格的な電気自動車の登場を阻んでいると言われるくらいの大問題だ。
しかしオーストラリア、ディーキン大学の研究グループが、一般的な産業用ポリマーを利用することでそれを克服する固体電解質の開発に成功したそうだ。
従来のリチウムイオン電池の2倍のエネルギー密度を持ち、それでいて爆発も発火もしない安全な全固体電池の扉を開く発明であるという。
・固体に見えるリチウムイオン電池は液体?
ざっくり説明してしまうと、従来のリチウムイオン電池は電解液の中にプラス(正極)とマイナス(負極)を浸したような構造になっている。そして、リチウムのイオンが正極から負極に流れるプロセスが充電、その反対に負極から正極に流れるプロセスが放電だ。
このようにリチウムイオン電池はイオンが移動することで機能しているのだが、そのためには電解液が必要になる。ぱっと見は固体に見える電池であっても、中には液体が使われているというわけだ。
世の中なかなかうまくいかないもので、電解液は可燃性であるために、何らかの問題が生じて温度が上昇してしまうと、爆発したり燃えたりしてしまう。安全性の面で問題を抱えているのだ。