18世紀に活躍したジュネーブ共和国出身の政治哲学者ジャン・ジャック・ルソーは、名著『社会契約論』に、「人民が減り、衰微してゆく政府が最悪の政府である」と、書いている。
日本の安倍晋三総理大臣は、憲政史上「最も国民の実質賃金を減らし」「最も国民の実質消費を減らし」そして「最も出生数を減らした」政治家であり、ルソーの定義に従うと「最悪の政府、三冠王」なのである。
前回、前々回と、2019年10月の消費税増税により、実質消費は(当然のことながら)下がり、さらには速報値段階ではプラスだった実質賃金も、確報値でマイナスに落ち込んでしまったことを解説した。とはいえ、第二次安倍政権発足以降、実質賃金も実質消費も継続的に下落してきたのだ。’19年10月増税は、下りのペースを「速めた」というのが正確な表現である。
もっとも、賃金や消費以上に強烈だった「ショック」は、’19年の出生数が90万人を割り込み、人口の自然減が50万人を上回ってしまった事実である。
特に第二次安倍政権発足以降、日本の出生数は急減。政権ごとの出生数増減率を計算してみると、安倍政権期の「マイナス」が文句なしでナンバーワンだ。
日本の少子化の原因は「既婚女性が産む子供の数が減っている」ことではない。有配偶女性一人当たりの出生数(有配偶出生率)を見ると、中期的には回復傾向にある。つまりは、保育所の待機児童解消や幼児教育・保育の無償化は、別に不要とまでは言わないが、少子化対策としてはほとんど役に立たない。
日本の少子化は、結婚の減少により引き起こされている現象なのだ。信じがたい話だが、今や50歳男性の25%が「未婚」という事態になってしまっている。1970年はわずかに1.7%だったため、衝撃的なスピードで「非婚化」が進んだことが分かる。
ちなみに、日本の若者の結婚願望は、際立って高い。男女ともに、未婚者(18〜34歳)の9割近くが「いずれ結婚するつもり」と答えている(データはいずれも「令和元年少子化対策白書」)。
そして、日本の結婚適齢期が結婚しない理由もまた、データから明らかになっている。
世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第353回 アベ・ショックが始まった(後編)
2020.01.21 06:00
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