前回のあらすじ 過信は禁物!福島県に伝わる世にも恐ろしい昔話「三本枝のかみそり狐」【上】
「自分は絶対、狐なんかに化かされない!」
そう自信満々で三本枝(さんぼんえだ)の狐スポットへ乗り込んだ彦兵衛(ひこべゑ)は、赤子をしょった怪しい女を見かけます。
こっそり尾行していくと、着物の裾からチラリと尻尾がのぞいており、彼女が狐だと確信した彦兵衛は、女が帰宅した老婆の家へ押し込んで、赤子を奪い取りました。
「こいつは狐で、この赤子はカブか何かに違いない!」
さっそく化けの皮を剝がしてやろうと、赤子を火のついた囲炉裏へ放り込んだ彦兵衛ですが……。
孫を殺された恨みに、老婆が包丁を……「あぁ、何てことを!」
彦兵衛に取り押さえられた老婆と女は、囲炉裏の中で燃えながら泣き叫ぶ赤子を、ただ見ているよりありませんでした。
「わはは……下手な芝居はよせ。