東京オリンピックの開催が迫る中、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長の発言に注目が集まっている。尾身氏は五輪開催に関し、「今の状況でやるというのは普通はない」「開催規模をできるだけ小さくして管理体制をできるだけ強化するのは主催者の義務」といった発言を行っている。
オリンピックに明確な反対の姿勢は示さなかったものの、かなり慎重な立場に付いた意見だと言える。なし崩し的な開催への動きに、きっちりを釘を刺した形だ。「反乱」と報じたメディアもある。確かに、このタイミングで行う発言としてはかなり勇気のあるものだ。ネット上では「尾身さん、御用学者だと思っていたけど実は違ったな」「尾身先生は、冷静沈着で本当にすごい」といった声が聞かれる。
実際に尾身氏は、数々の修羅場を経験してきた人物と言える。尾身氏の専門は地域医療、感染症、国際保健であり、WHO(世界保健機関)では、発展途上国での感染症対策にも従事してきた。2011年発行の著作『WHOをゆく:感染症との闘いを超えて』(医学書院)では、その仕事ぶりが記されている。
玉川氏、尾身会長に「世界中から全く評価されない人たちになる」連日批判 五輪開催への発言を自己評価のためと主張
著作によれば尾身氏は、内戦状態にあったフィリピンのミンダナオ島や、ポル・ポト率いるクメール・ルージュと紛争中のカンボジアで、子どもへのポリオワクチン接種を行った。フィリピンでは当時のラモス大統領に依頼し、「予防接種のための一時停戦」を実現させたという。同様にクメール・ルージュとの交渉も行った。さらに、ポリオワクチンの接種はほかの地域でも行われ、西太平洋地域では根絶に成功している。
このエピソードはネット上でも紹介されており、「尾身先生、常軌を逸した我慢強さだと思ったら場数が違う案件だった」「クメール・ルージュとの停戦交渉に比べれば、日本の政治家と話すのは簡単ですよね」といった声が聞かれる。
尾身氏は、かなり肝の据わった人物であるだけに、これからの発言にも注目が集まりそうだ。
オリンピック開催に慎重な発言で話題の尾身茂会長、過去に数々の修羅場を経験
2021.06.12 10:00
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