台湾北部、桃園(Taoyuan)県にある道教の寺、五福寺(Wu Fu Temple)。この境内では、扇情的な光景が見られる。ビキニ姿の女性ダンサー2人が、ネオンライトのもと、ダンスミュージックにあわせて激しく身体をくねらせる。披露するのはポールダンスとストリップ。お寺の境内でなぜ、と思うかもしれない。しかし、この扇情的なダンスは死者への手向けなのだ。
■台湾の土着信仰
彼女たちは何のために踊るのか。「さまよえる霊を鎮めるため」だ。つまり、この妖艶なステージは、鎮魂の舞ともいえるのだ。
一回のステージで稼ぐ金額は3,000台湾ドル(約8,000円)。それだけでなく、終盤になるとおひねりをもらうために観客のもとに降り、男性客に身体をふれさせることもある。台湾の土着信仰の特徴は、精霊信仰と世俗性が融合している点にある。女性ダンサーを呼んでダンスを披露してもらうのは、葬式に限らない。お祭りや、結婚式でも踊るのだ。ステージはトラックが使われる。花や電飾で飾り、音響設備も完備している。これで小さな町や田舎の村などを周り、様々な宗教行事に参加するのだ。
■古事記との共通点
ここで思い浮かぶのが、「古事記」だ。この中には、あまりにも有名な「天の岩戸」のエピソードがある。アマテラスオオミカミが天の岩戸に閉じこもり、世界は闇に包まれてしまう。そこで一計を案じたのがアメノウズメノミコトだ。彼女は集まったほかの神々の前でダンスをするのだが、それはストリップだった。この女神の姿に神々はおおいに盛り上がり、その騒ぎを聞きつけたアマテラスオオミカミが姿を見せて、ふたたび世界は陽に照らされる、というものだ。このアメノウズメノミコトは、いわば「陽の目を見たい」と願う地上の人々とアマテラスオオミカミの仲介役といえる。それゆえに、巫女の原型とする説もある。
■俗悪か、神聖か
このような慣習は1970年代から顕著になったといわれる。そして、当然、台湾人みなが歓迎しているわけではない。これをあまりに世俗的、即物的として、嫌悪する人もある。しかし、大半の人間は、性と宗教の境目があいまいな台湾古来の、独自の文化として受け入れている。
ポールダンスとストリップで死者を供養 台湾における性と死
2021.06.16 19:00
|
心に残る家族葬
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
大好物を見たワンコさん、キラキラお目めで〝喜びの舞〟 可愛すぎる反応に5.4万人もん絶
Jタウンネット
2
「親が元気なうち」に考える”親亡き後” 家族だけで抱え込まないという選択
TREND NEWS CASTER
3
銀行員から歯科医師へ。異例の転身の先に見えた、歯科”稼げる産業化”の勝算
TREND NEWS CASTER
4
接客ゼロでも、買い物はもっと楽しくなる? 無人販売店に求められる「安心・快適・自由な空間」とは
TREND NEWS CASTER
5
「やらされる」教育から「自らやりたくなる」環境へ── 非認知能力を育む「スポーツスタッキング」の可能性
TREND NEWS CASTER
6
声を整えれば、働き方も変わる!ハリウッド仕込みの“ボイス・ウェルビーイング”に注目
TREND NEWS CASTER
7
「この子は何なの?どうしてここにいるの?」 三井住友銀行大阪本店にくっついている〝謎のオブジェ〟に3.3万人困惑
Jタウンネット
8
武蔵村山市の公園に立つ〝注意看板〟の内容に2.8万人驚がく 「この先には行かないで」...その理由は?
Jタウンネット
9
脂っこい食事、早食い、寝る前の食事…胃腸トラブルを招くNG習慣とは? 消化器専門医が解説
TREND NEWS CASTER
10
「働きたいシニア」と「人手不足の企業」なぜすれ違う? シニアの“経験資本”を社会実装する挑戦
TREND NEWS CASTER