シリーズ読者投稿~あの時、あなたに出会えなければ~ 投稿者:Cさん(愛知県・50代男性)
行く先々でバイトをして路銀を稼ぎ、食費は切り詰める。そんな貧乏旅の途中、ある一人の男性と出会ったという。
<Cさんの体験談>
もう40年近く前になります、当時、何を考えたのか、私は日本中を旅して周っていました。
もちろん、若かった私はお金などほとんどありません。
あちらこちらでアルバイトをしながら、次の目的地に移動するといった、浮浪雲の様な旅でした。
「若いもんが、そんな物ばかり食っとったらいかん」そんな道中、フェリーで北海道に向かう途中の事です。
フェリー代で所持金のほとんどを使ってしまい、船内の食事も高かったので、食事と言えば自販機でカップラーメンでした。
そんな私を見かねたのか、見知らぬ初老の男性が
「若いもんが、そんな物ばかり食っとったらいかん」
と、私に名刺を渡し、「食事の時間になったら食堂に来なさい」と言ってその場を立ち去って行きました。
言われるままに食事時に食堂に行くと、その男性が定食を準備して待っていました。そこから、その男性が下船するまでの間、私のすべての食事を、その男性が奢ってくれたのです。
「若気の至りとは言え...」当時はまだ若かった私は、「気前の良い人もいあるもんだ」くらいにしか思っていなかったのか、まともにお礼も言えずにその男性と別れました。
しかし、船内の食堂はとても高かった。