近年、どの政党・候補者もSNSを活用した選挙運動に力を入れる一方、フェイクニュース(偽・誤情報)対策に苦慮している。しかし、憲法が保障する「表現の自由」との兼ね合いもあり、選挙戦でのフェイクニュースに対する規制の議論は先送りされている。そうなると、フェイクニュースを見破る個人レベルでのメディアリテラシーがますます重要だ。4日放送のテレビ朝日「ワイドスクランブル」では、メディアリテラシーとファクトチェックの話題を取り上げた。
国民のメディアリテラシーに関する世界的な調査でフィンランドはトップ、日本は47カ国中22位だ。フィンランドでは、1970年代からメディアリテラシー教育が国家的に行われており、現在も、年齢ごとに段階的な学習が行われ、幼児期から情報の信頼性を見極める力を養う仕組みが整っている。例えば、小学生向けの授業では、ネット上で拡散されたフェイクニュースを題材に、発信者の背景や画像の加工の有無を分析する手法を学ぶ。
ちなみに、フィンランド以下の順位は、デンマーク、エストニア、スウェーデン、アイルランドとなっている。北欧諸国が多いのは、ロシアからの政治的な情報戦に負けてはならないという差し迫った事情もあった。
「フェイクニュース元年」といわれた2016年のアメリカ大統領選の頃から、ファクトチェックは世界的に普及しはじめ、フェイクニュースに対抗するツールと考えられるようになった。ファクトチェックは、情報が事実に基づいているかどうかを検証する行為のことをいう。
例えば、街頭演説で候補者が「外国人犯罪が多すぎる」と発言したところで、それはファクトチェックの対象にはならない。個人的な“感想”のレベルに過ぎないからだ。しかし、「10年前に比べて外国人犯罪が増えた」と発言すれば、それは各種統計から検証可能であり、ファクトチェックが可能だ。事実(fact)と意見(opinion)を区別し、個人の価値観に基づく意見や評価そのものは基本的にファクトチェックの対象にしない。
日本でファクトチェックの実践と普及を目指しているのは認定NPO法人インファクトだ。立岩陽一郎理事は「ファクトチェックはフェイクニュースの特効薬ではないとしても、ファクト重視の姿勢は世の中を変えていく可能性がある」と語る。
一方、増田ユリヤ氏が番組の中で「(政党の)支持者はファクトチェックなんて気にせず、自分たちにとって耳触りのよいことを言ってくれることを望んでいる」という趣旨のことをコメントしていたが、学校におけるメディアリテラシー教育の必要性を感じさせられる。
日本のメディアリテラシー22位、トップはフィンランド 日本にファクトチェックの文化は根付くか
2025.08.05 09:00
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