新人作家が小学館文庫小説賞と松本清張賞のW受賞の快挙を成し遂げた。
額賀澪氏は、『ヒトリコ』で第16回小学館文庫小説賞を受賞した2週間後に、第22回松本清張賞を『ウインドノーツ』で受賞。最終候補作に残っているという連絡は同じ日に届いたという。
華々しいデビューに、大いに期待が集まる額賀氏。どんな作品を描く作家なのだろうか?
ここでは小学館文庫小説賞を受賞した『ヒトリコ』(小学館/刊)を紹介しよう。
小学5年生のとき、深作日都子は教師から金魚を殺したと濡れ衣を着せられてしまう。それは、転校してしまった海老原冬希が学校で飼っていた金魚だった。このことがきっかけとなり、日都子はいじめの対象となってしまう。
昨日まで「友だち」と思っていた幼なじみの女子からも、手のひらを返したような態度をとられ、日都子は、何もかも信じられなくなり、いろいろなことが億劫となり、心を閉ざした。「ヒトリコ」として生きていくことを決心する。
日都子は中学生になり、「関わりたくない人と、関わりたくないから」と、部活に入らないかわりに、近所に住むキュー婆ちゃんの家でピアノを習い始めることになる。ヒトリコの心の支えはピアノと偏屈なキュー婆ちゃんだけだった。
中学を卒業し、地元の高校に入学すると、金魚の飼い主だった冬希と再会する。冬希は、モンスターペアレントの母親に振り回され、引っ越し先の東京でも母親のために周りから疎まれてしまう。冬希は、日都子が「ヒトリコ」になった原因が自分と知り、申し訳なく思う。そして、いらないと思ったものを自分で切り捨て、「ヒトリコ」として自分を貫いて生きている日都子に冬希は引きつけられていく。
冬希は、自分を振り回していた母をさっさと切り捨てていれば、もっと違う人生があったかもしれない、じわじわと周りから友人がいなくなることに怯える必要もなかったのに……と心に癒えることのない傷を抱えていた。
24歳新人作家が文学賞W受賞! 絶賛を受けた甘くて苦い青春小説
2015.06.24 19:00
|
新刊JP
ピックアップ PR
ランキング
総合
社会
1
「西洋医学×漢方×手相」という異色アプローチ 標準治療では救いきれない患者と”科学的根拠”の境界線
TREND NEWS CASTER
2
「個人が変わっても組織が変わらない」のはなぜか? エグゼクティブ・コーチングの盲点を突く「社長+幹部一体型」の勝算
TREND NEWS CASTER
3
なぜビル清掃予算は「30〜55%」も消えるのか?多重下請け構造の限界 ――多重構造の無駄を省いた「科学的清掃」の勝算
TREND NEWS CASTER
4
「受診者が最大3倍に」150円の自己負担でも断る人が皆無だった理由 ――がん検診の「心理的ハードル」を下げる環境整備
TREND NEWS CASTER
5
なぜ都市部で「園庭を知らない子ども」が増えているのか? 私立保育所の7割が園庭なしの危機と、幼児教育が向き合う「体験格差」
TREND NEWS CASTER
6
なぜ「AI PC」はビジネス価値に転換しきれていないのか? ――クラウドの課題を克服し、ローカル処理が迫る「業務基盤の再設計」
TREND NEWS CASTER
7
AIとロボティクスの融合がもたらす創薬プロセスの「最前線」 新薬開発における自動化と人間の役割
TREND NEWS CASTER
8
ブームに沸く「一棟貸し」で、いま勝ち残るビジネスモデル ――1000坪の古民家再生にみる、地方宿泊のニーズ変化と運営のリアル
TREND NEWS CASTER
9
なぜ夏は朝から疲れているのか? 猛暑・熱帯夜に負けないための睡眠対策とケアの視点
TREND NEWS CASTER
10
住宅リフォーム「価格だけで選べない」時代の到来――進む“シンナー不足”と業界の新たな課題
TREND NEWS CASTER