【未解決事件の闇19】女性編集者失踪・渦中の人物に会う「何なら実名出してもええんやで」 (1/2ページ)

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【未解決事件の闇19】女性編集者失踪・渦中の人物に会う「何なら実名出してもええんやで」
【未解決事件の闇19】女性編集者失踪・渦中の人物に会う「何なら実名出してもええんやで」

特集ルポ:未解決事件の闇19~伊勢・女性編集者失踪事件

 辻出さんが失踪した直後とみられる1998年11月25日未明、XがA子に電話をしたことはすでに記した。Xが電話をかけたのはもう一人いる。それは一時期Xの家に居候していた友人のNである。三重県最南部にある尾鷲市郊外のNの家を訪ねた。

 チャイムを鳴らすと、元気で威勢のいい松崎しげるのような声で「はいはいはい、誰ー」と中から声が聞こえ、ドアが開いた。中から出て来たのは、小柄ではあるが、全身筋肉といった感じの鍛え上げられた体格の、それでいて優しそうで頼りがいのある50歳ぐらいの男性であった。それがNだった。

「あ、辻出さんの事件ね。お話ししますので、お入りください」と言うと、家に上げてくれた。Nは缶ビールを浴びるように飲みながら語っていった。

「Xと知り合ったのは、私が熱帯魚屋の客だったからです。ときどきお願いして魚を仕入れてもらってね。そのうち友達づきあいをするようになったというわけ。海にね、堂々とアワビを採りに行ったりして、それで数百万円荒稼ぎしました。漁で潜ることがあるんですけど、Xにはかないません。彼は息が長い男でね、私が4分だとすると彼は5分息をしないで持つんです。

 一時期彼の家に住んでいたのは、家を建て替えしようということで、隣にある妻の両親の家に工事の間、住まなくちゃならなくなったからです。その両親と仲が悪かったんで、一緒に住むぐらいなら別居しようと考えたんです。Xは「うち空いてるから、タダでいいよ」と言ってくれてね、数ヵ月住まわしてもらったんです。お代ですか? そんなの友達なのにお金なんか発生しませんよ。林道工事は数ヵ月で600万円とか稼げますから、払おうと思ったら払えたんですけどね。今考えたら、払っとけば警察にも疑われなかったのかもね。

 私、林道敷設の特殊な技術を持ってるから、ほかの死体遺棄でも疑われてるんです。でも、考えてもみてください。私は従業員を食わせないといけないの。死体を遺棄するようなリスキーなことをして、私が捕まったら従業員が路頭に迷いますよ。

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