「16世紀のホラ吹き男」から学ぶ!? 売れっ子作家になる方法 (1/3ページ)
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日本にとっての16世紀は、戦乱の時代だった。
日本史の中で最も大衆の注目を集める時代区分といえば、やはり戦国時代と幕末だ。NHKの大河ドラマも、この二つの時代を交互に扱うということが近年では定例化している。逆に戦国でも幕末でもない時代の作品は、視聴率を集めるのが難しいらしい。
戦国期と幕末期。この二つには、ある大きな共通点がある。外国人の手による史料が多いということだ。
日本の感性、価値観とは一切関わりのない異国人が書き残した文書は、現代の日本史研究において非常に重要な役割を果たしている。たとえば戦国期の日本人がどのような日本語を話していたかという研究に、当時の日本来航ポルトガル人が作成した『日葡辞書』は欠かせない。「自分たちが普段どのような言葉を使うのか」などということを、いちいち記録している者はいない。そういうことを書き留めるのは外国人くらいだ。
だが日本を訪れた者の中には、とんでもないホラ吹きもいる。悪意をもって出来事を捏造した、ということとはまた違う。どの国にも必ず一定数存在する、「あの時俺はこんな凄いことをしたんだ」と胸を張って主張する類の人物だ。
彼の名は、フェルナン・メンデス・ピント。あまりの大ボラ吹きのおかげで、世界史に名を刻むことができた男である。
■ 鉄砲を伝えたのは俺だ!
“鉄砲”という新兵器が、戦国期の日本を大きく動かした。この歴史的事実は、日本人なら誰もが知っている。
そしてその鉄砲を日本にもたらした人物も、非常に有名だ。アントニオ・ペイショット、フランシスコ・ゼイモト、アントニオ・ダ・モッタという三人のポルトガル商人である。
だがこの三人を差し置いて、「俺こそが日本に鉄砲を伝えたんだ!」と叫ぶ男がいた。
「俺は今までに何度も戦争に参加して手柄を立てて、商売でも大成功を収めた英雄だ!」
冗談ではなく、真顔でそう主張するフェルナン・メンデス・ピントという男。彼に言わせれば、日本に鉄砲をもたらしたのも自分だそうだ。