急成長を遂げた『刀剣乱舞』を巡って起きた複数の騒動に寄せて (5/6ページ)
pixivでは、このヘイト愛好者(通称ヘイター)による作品が大量に投稿され、タグ付けや注意書きがなされていないものも多く、中にはタグによる住み分けに意図的に反抗するユーザーも存在した。
ヘイト創作に限らず、過剰な暴力表現などを含む特殊な性癖を持つ人向けの二次創作もジャンルとして確立されているが、彼らは自覚的に振る舞い、むしろ積極的に住み分けを行う傾向が強い。
「何をもってヘイト創作とするのか」という議論も活発に行われたが、作品への愛を表明するファンアートである二次創作において、その意図から離れていたり、オリジナルキャラクターを際立たせるために『刀剣乱舞』のキャラクターを悪用している作品がそれにあたるとされている。その中には、「刀剣乱舞はオリキャラを引き立てるために最適なステージ」と主張し、原作を冒涜する発言も見られた。
「ヘイト創作」自体は、以前から他のジャンルでも存在していた。しかしその数は少数であり話題になることは少なかった。『刀剣乱舞』はいまや巨大ジャンルに発展。ユーザー数に比例して二次創作も増える中、一歩間違えれば作品への「アンチ」でしかないヘイターも「ヘイト創作」もまたその数を増やしていったように思われる。
また、「審神者」の存在も「ヘイト創作」を増やす一因となっているとも考えられている。「審神者」はプレイヤーのアバターという側面が強く、性別や年齢、政府との関係については不明である。そのため二次創作においてオリジナルの設定を付けやすい。また、刀剣男士の主である審神者には逆らうことができないという明確な上下関係も、ヘイターにとっては利用しやすい存在である理由となっている。
この「ヘイト創作」が徐々に目に余るようになり、一時期はpixivの全年齢小説ランキングなどをこのヘイト創作が占領、『刀剣乱舞』の二次創作を乗っ取ったと言われるほど活発になっていた。
現在は沈静化されているが、このような二次創作問題は『刀剣乱舞』に限らず巨大ジャンルではたびたび話題となっている。