武士の時代に「武士道」は存在しなかったって本当? 考案者は5千円札のあの人 (2/2ページ)

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宮本武蔵の「五輪書」や、小幡景憲が武田信玄の軍法を軍学として集めた「甲陽軍鑑(こうようぐんかん)」、山本常朝の「葉隠(はがくれ)」などが有名です。

確立されていなかった考えをわかりやすく解説し、世界に日本人の礎となる考え方はコレだ!と広めた新渡戸稲造のおかげで、特定の宗教がないという、世界から見るとちょっと理解できない部分を説明できたのです。

■実際の江戸時代の武士は?

戦のない江戸時代、武士といっても、いわば現代の「年金生活者」。関ヶ原の戦いで功績を挙げた「祖先」のおかげで、お給料がもらえるようなもの。びんぼうな武士もごろごろいました。武士は食わねど高楊枝、とはよく言ったものです。

おかげで不正も横行していました。

家長が亡くなっているのに届け出ず、自宅療養中としてお金をもらい続ける、いまでいう「年金サギ」。また、武士の自決は切腹が定番ですが、江戸時代では自刃できない人もいたため、刃の代わりに扇子を使う偽装切腹「扇子腹(せんすばら)」などが挙げられます。切腹は、死を恐れない武士の象徴ともいうべきもの。悪いことをすれば罪人として斬首なのに対し、切腹は「無実」や「過ちを認めた潔さ」。死ぬから武士なのではなく、潔く行動するための切腹、という意味です。

江戸時代の武士も言葉としてはなくても、感覚的に武士道はわかっていたはず。それでも仕事がない、お金も他力本願。あまりに情けない状況は、武士を持て余してしまった幕府にも責任があったように思います。

■まとめ

 ・「武士道」という言葉が誕生したのは、明治時代

 ・旧5千円札の肖像にもなった「新渡戸稲造」の著書

 ・英語で書かれた「武士道」は海外で大人気。のちに日本語化され「逆輸入」された

 ・江戸時代の武士は「年金生活者」。武士道どころか不正受給が横行していた

明治に生きた新渡戸稲造の「武士道」は、江戸時代の武士よりも武士らしく高潔なものだったと言えるでしょう。

(沼田 有希/ガリレオワークス)

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