【世界の功績者から学ぶ・後編】「言葉」は問題を解く鍵 (2/4ページ)
以前、日本のテレビ番組の企画で「東ティモールの人々にかまど作りを教えよう」というものがあったが、これは燃焼効率のいいかまどを持つことで、森林伐採のペースを少しでも緩やかにしようという狙いだ。
確かに素晴らしい企画だが、結局かまど作りは急場凌ぎにしかならない。根本的に問題を解決するには、「なぜ緑を守らなくてはならないのか」、「もし森が消滅したらどうなるのか」ということを子どもたちに教える必要がある。
ガルヨス女史は、その地道な作業に着手したのだ。
そんな彼女の姿勢は、2011年にこの世を去ったワンガリ・マータイ女史のそれと非常に似ている。
マータイ女史は「緑化こそが祖国の安定につながる」と公言していたが、それは何もアフリカだけを指す話ではなかったのだ。
■ 大量消費社会の限界
「もしドイツ人が一世帯で所有する車と、同じ数だけインド人が持てば、この惑星はどうなってしまうのでしょうか? 呼吸をするための酸素が残るのでしょうか?」
2012年のリオデジャネイロ会議の場で、当時のウルグアイ大統領ホセ・ムヒカ氏はそうスピーチした。
作業着のような素材のジャケットにノーネクタイ、いつも安物の靴かサンダルを履いているこの老人は、「世界で最も貧しい大統領」と呼ばれている。
大統領職の報酬があれば富裕層の仲間入りができるのに、それを殆ど寄付してしまうから手持ちのカネがない。
だが本人曰く、「私が貧しいわけではなく、これがウルグアイ国民の平均的な生活水準」だそうだ。
社会福祉が完備されているわけでも、幸福指数とやらが高いわけでもない小国の大統領。
だが問題だらけの祖国の現状に自らのライフスタイルを合わせているからこそ、ムヒカ氏は大統領を退任した今でも注目を浴びている。
ムヒカ氏が現職大統領としてメキシコを訪れた際、その帰路でエンリケ・ペニャニエト大統領の専用機に便乗させてもらったエピソードは有名だ。
ムヒカ氏は専用機を持っていない。海外訪問の時でも、民間旅客機のエコノミークラスシートに座る。