【世界の功績者から学ぶ・後編】「言葉」は問題を解く鍵 (3/4ページ)
一方でメキシコのペニャニエト氏の専用機は、本人がわざわざボーイング社に発注した最新鋭787-8型だ。機内にはベッドルーム、会議室、ラウンジまである。
この一件でペニャニエト氏は、「病院を訪問したばかりなのにこの贅沢三昧か!」とメキシコ国民に批判されてしまった。
「政治家は多数派の国民から選ばれているのだから、少数派の暮らしをしてはいけない」
幾度とそう口にするムヒカ氏が嫌うのは、大量消費社会だ。今現在の状態、すなわち消費を促すことで経済成長を図るというやり方には限界があるという。
消費は憧れである。少なくとも、少し前までは。
次々に供給される製品を使い捨てること、同じ品目のものを、シーズンごとに更新することこそが経済学上の理想とされ、それを実現している国は“理想国家”だった。
日本の左派が旧ソ連や北朝鮮に憧れたように、右派は大量消費社会を達成しているアメリカを絶賛した。
東西冷戦の頃は、確かにそれで良かったかもしれない。アメリカのやり方に従わなければ、ソ連に赤化されていたかもしれない時代だ。
だが今現在この世に存在する問題は、その大量消費社会がもたらしたものだ。
どんな建物もいずれ老朽化するのと同じで、我々はその時代の最新工法で常に建物をリフォームしていかなければならない。
■ 「言葉」が未来を変える
筆者は人類の未来を楽観視している。なぜなら、人類はその歴史を刻んでからまだ数千年しか経っていないからだ。
そして何より、人類には“変わる力”がある。氷河期に適応できなかった恐竜とは違う。人には難題を乗り越える能力が備わっていると、筆者は考える。
難解なことではない。例えば松下幸之助は、世界で初めて“商倫理”を体系化させた人物だ。
幸之助は商家の丁稚だった少年時代、20個買ったら1個オマケでついてくるタバコを買い溜め、店に来た客に売っていた。
“売る”と言ってもそれは丁稚のおつかいだから、決して商売をしていたわけではない。だがオマケ1個分のタバコがあるおかげで、それがもたらす差額の利益が幸之助の懐に入った。