AKB48島崎遥香主演『劇場霊』コミカライズ記念!タカヲヨシノブ先生インタビュー (4/4ページ)
漫画では表現できない映像演出
━━映画と漫画はやっぱり違う、という話がありましたが、コミカライズ特有の難しい箇所とかもあるのでしょうか? 映像なら簡単に表現できるけど、漫画だと一筋縄ではいかない……みたいな。
タカヲ「あります。漫画の場合、コマとコマの間は読者に想像してもらうものじゃないですか? でも映画では全部映像が繋がってるんです。例えば、映画でライトがずっと点滅し続けているシーンがありまして。明かりが点いたり、消えたり……。けど、これを漫画でやったら、点く、消える、に2コマも使うことになります。常に点滅しているシーンはどうしても書きづらいので、僕の漫画ではもうずっと電気を消しちゃうことにしました」
━━言われてみれば、確かにそれ、どうやって漫画で表現すればいいのか全然分からないですね……。
担当「後は音ですね。ホラー映画って音がすごく大事だと思うんです。音で、なんか怖いな、なんか出てきそうだな、って気持ちを煽っていくじゃないですか」
━━あー、音は大事ですよね。バイオハザードとかやってても、音消すだけで全然怖さが違ってきますし。
担当「恐怖って耳から得るところが大きいんですよね。漫画でのホラーは音がないというハンデを負っているとは思います。めくりとか、書き文字の雰囲気とかで、来るぞ、来るぞ!っていうのを表現しなければいけない」

(c)2015「劇場霊」製作委員会

(c)タカヲヨシノブ(週刊少年チャンピオン)
タカヲ「僕は特にめくりが大事だと思いますね。ページをめくった時に読者がビックリするような表現を載せる。めくりは漫画独自の表現方法だと思うし、めくりは映画の音と同じような役割なんじゃないかなって。映像だと…………ォォォォオオオ!!! ってだんだん音が大きくなってから、ドーン!と怖い映像が来るじゃないですか。漫画も小さなコマが続いていって、それでページをめくると大ゴマでドーン! と」
━━めくりと言えば、ホラーに限らず、例えばファンタジーとかでも、めくりで衝撃の新展開を描いて読者を驚かせたり、ギャグ漫画もめくった時に面白いコマを用意したりしますよね。
担当「めくりで読者を驚かせるのが大事なのはホラーも他の漫画も一緒かもしれませんね。ただ、ホラーは『めくって驚かせる』の重要性が色濃く出ているというのはあるかと思います。ホラー漫画を描いていけば、その点が鍛えられるのかも(笑)」
タカヲ「映画のままの演出だと、やっぱり音のハンデとかで、漫画では十分に怖くできなかったりするんです。だから、めくりのシーンでは自分なりに演出を付け加えてしっかりと怖いものにしようとしています。めくりが一番僕のオリジナリティが発揮されているところだと思いますね」
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インタビューを通して感じたのは、やはり映画と漫画のメディアの違いは確実にあるということです。しかし、その部分を漫画版は独自の手法で補っており、その点がコミカライズの独自性にもなっているとのことです。映画版と漫画版を見比べて、漫画ならではの独自の工夫や手法に注目するのも面白いかもしれませんね。
著者プロフィール

作家
架神恭介
広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『ダンゲロス1969』(Kindle)