「愛苦しい」という言葉はなかった!? 間違って使われやすい漢字や言い回し (1/2ページ)
間違った言葉の使い方をしているのに、本人はまったく気付いていないということがあります。たとえば、次のうち、間違っているものはどれかおわかりですか?
「愛苦しい」「悪どい」「うんちくを垂(た)れる」「責任を転稼する」「(年末の)書き入れ時」
じつは、「書き入れ時」だけが正解です。
「知らなかった・・・」「ずっと間違って使っていた」という人は、「汚名挽回」すべく、あるいは「二の舞を踏む」ことがないよう、この機会に正しい使い方を覚えましょう。
お気付きの方もいるかもしれませんが、「汚名挽回」と「二の舞を踏む」も間違った使い方です。詳しくみていきましょう。
●「愛苦しい」→「愛くるしい」が正解
たいへんかわいらしいという意味で使われる言葉ですが、「愛苦しい」ではなく、「愛くるしい」と表記します。
●「悪どい」→「あくどい」が正解
たちが悪いという意味の言葉ですが、「あく」は灰汁(あく)のことで、それに「どい」という接尾語がつき、あくが強いということをあらわしているのだとか。
●「うんちくを垂(た)れる」→「うんちくを傾ける」が正解
知識をひけらかすという意味合いで「うんちくを垂れる」と使っている人が多いのですが、これは誤用。うんちくは垂れるのではなく傾けるもので、「自分の学識・技能のすべてを発揮する」というのが正しい意味です。
●「責任転稼」→「責任転嫁」が正解
責任を他にかぶせることをいいますが、「転化」でも「転稼」でもなく、「転嫁」が正解です。なぜ「嫁」に? じつは、「嫁」には「よめ」「とつぐ」という意味のほかに「擦(なす)りつける」という意味があったのです。