不良格闘技「THE OUTSIDER」潜入 拳で夢を叶えた黒石高大の鮮烈な幕引き (6/6ページ)
あっけない幕切れにも見える試合だったが、黒石選手は、必ずしもその強さでファンを魅了してきたわけではない。アウトサイダーのリングでは、5回目の参戦でやっと白星を勝ち取った黒石選手。憎めない人柄と、喧嘩屋だった彼が格闘技を学びアウトサイダーのリングで成長しながら生み出してきた数々のドラマがあった。
互いにアウトサイダーの歴史を象徴する存在であり、格闘家として拳を交わす本人たちにしかわからない深い絆で結ばれた戦友・啓之輔選手自ら、格闘家としての「黒石高大」に引導を渡した鮮烈な瞬間だった。
涙を浮かべながらも凛としてリングに立っている黒石選手の姿は、アウトサイダーとしてだけでなく、俳優としてこれからの将来をしっかりと見据えているように感じられた。
母への感謝を述べ、最後までファンや関係者に挨拶をして回る黒石選手の姿がそこにはあった。
黒石のお母さんはシングルマザーで、離婚直前に子供を家の外に置いて夫婦ゲンカして、黒石は妹を抱いて泣きながら外で待ってて、最後は結局刑務所に入って黒石はおばちゃんに育てられるんだけど、それでも黒石の引退にあたっての最後の言葉は。「俺を育ててくれてありがと♡」なんだよね…。
— tatsuyakay (@tatsuyakay) 2015, 12月 13アウトサイダーは現代版「明日のジョー」を探すという前田日明さんの思いもあり旗揚げされたイベントだ。
格闘技経験がない者でも才能と努力次第では拳ひとつで成り上がることができるという、漫画のようなサクセスストーリーを叶えられるのがアウトサイダーのリングの魅力である。
すでにアウトサイダー本大会は2016年3月27日(日)に東京・ディファ有明にて開催されることが決定している。観戦はもちろん、2016年1月4日(月)より選手募集が開始されるので腕に覚えのある猛者はぜひとも応募してみてほしい。