え、だってピンクやん! 実は「サケ」は白身魚だってほんと? (2/2ページ)
重労働によって多くの酸素を取り込み、活性酸素が増えて筋肉を痛めるため、アスタキサンチンで活性酸素を消すため、と考えられています。激しい運動用に「しっぷ」を持ち歩いているようなものですから、ずいぶん心配性なサカナですね。
■シャケ弁当、改め「マス」弁当?
ニュースなどでは「さけ・ます」とペアで呼ばれるのはなぜでしょうか? じつはサケとマスは明確な区別のないサカナで、「どこ」で暮らしているかで名前が変わるからです。
サケは川をさかのぼって産卵するので「淡水魚」に思えるのですが、海に降りて成長し、産卵のときに戻ってくる「海水魚」とも呼べるので、厳密には遡河(そか)回遊魚と分類されます。対するマスは川で生活するので淡水魚扱いですが、海に出ないだけの話で、生物学的にサケとの決定的な違いはありません。「さけ・ます」と連名で呼ばれるのもこれが理由ですが、サケの缶詰でも「カラフトマス」、スモークサーモンなのに「マス」と表示されている製品もあるので、区別するのかしないのかすらはっきりしない魚なのです。
渓流では「マス」釣りが人気ですが、「さけ・ます」は禁漁エリアや期間が定められている河川も少なくありません。本場である北海道にサケ釣りに行こう! と考えているひとは事前のチェックを、よくわからないときは管理釣り場を利用すると良いでしょう。
■まとめ
・身がピンクのサケは「白身魚」
・活性酸素から筋肉を守るためのアスタキサンチンがピンク色の元
・サケとマスは、生物学上「明確」な違いはない
・「さけ・ます」禁漁のエリア/時期があるので、釣りに行くひとは要チェック
(関口 寿/ガリレオワークス)