「脳トレ」川島教授の警鐘で“ゲーム脳”議論が再燃…長時間プレイは脳の発達に悪影響!? (3/3ページ)
ゲームが「学習能力に好影響」との海外研究も……
その一方、海外では「ゲームが脳に好影響を与える」とする研究結果も出されている。
2015年にドイツのルール大学ボーフムの研究グループが、週に20時間以上ゲームをするグループと全くゲームをしないグループを対象に学習能力テストを実施したと発表。一般的なパズル問題を解いてもらった結果、ゲーマーグループの方が成績が良く、複数のヒントから問題を解こうとするマルチタスク的な思考法が顕著に見られたという。一方、ゲームをしないグループは単一のヒントでパズルを解こうとする傾向が目立った。
さらに被験者の脳をMRI検査したところ、ゲーマーグループは記憶力や学習能力を司る前頭葉や海馬の活動が非常に活発であるという診断結果になったと明かされている。
また、カリフォルニア大学サンフランシスコ校のアダム・ガザレイ教授は脳の認知機能改善にゲームが有効だと主張。アルツハイマー病や認知機能障害などを改善するためのゲームを開発し、実際に60~80歳の高齢者が週12時間ほどプレイすることで劇的に回復したとの成果を発表している。
近年は暴力的なゲームの悪影響も盛んに取り上げられているが、東京大学大学院の開一夫教授らが暴力的なゲームの脳への影響を調査したところ「長期的な影響は不明」と発表。従来の研究では悪影響があるとされてきたが、その大半が20~30分の短時間だけゲームプレイした直後の状態を健闘したものが多かった。同研究ではプレイ直後に男性の攻撃性が高まったことは確認できたが、3か月後には元の水準に戻っていることが分かったという。
ゲームが脳に何らかの影響を与えることは間違いなさそうだが、そのメリットとデメリットは不明な点が多い。ワケも分からずにゲームに責任を転嫁するよりも、まずは各々の家庭の問題と捉えた方が子供たちの幸福につながるのではないだろうか。
- 佐藤勇馬(さとうゆうま)
- 個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。歌舞伎町や新大久保をホームグラウンドに飲み歩くのが唯一の楽しみ