「世界イグルー選手権 in 安芸太田」がゲレンデが溶けるほどアツい (1/3ページ)
広島県安芸太田町の恐羅漢スノーパークで、雪のブロックで作る住居「イグルー」を作る世界大会が行われます。コンセプトは「誰でも気軽に参加でき、普通の人でも世界王者になれる数少ない世界大会」。前年はアメリカ・台湾・オランダ・オーストラリア・スコットランドからの参加があり、海外からも取材がくるなど、「気軽に雪を楽しめる面白い大会」として注目を集めているそう。
そもそも「イグルー」って何?
スノーハウスとも呼ばれる住居で、一年の大半を雪と氷に閉ざされたツンドラ地帯で暮らすイヌイット達の知恵から生み出されたもの。どこでも作ることができ、移動しながらの生活が可能になります。また、積雪期における登山の際には、テントの代わりに使用されることがあるのだとか。
北極や南極、イヌイット、などの言葉から連想する人が多そうな、ドーム型の建築物。絵や写真を見れば「あぁ、あれか」となるはずですが、本物を見たことがある人は少ないのでは……?
一般市民でも世界王者を狙えるという、ユニークな「世界イグルー選手権」について、広島県安芸太田町観光協会・柏崎さんにお話を聞きました。
「そこに雪はあるか」広島なのに豪雪地帯!?
──広島は暖かいイメージですが、イグルーを作れるほど雪があるのですか?
柏崎さん 広島県といえば「みかん! 瀬戸内! あたたかい!」とイメージされる方が多いと思います。しかし、ここ広島県安芸太田町は“日本最南端の豪雪地帯”。町内には良質なパウダースノーが人気のスキー場が2か所あり、冬は多くのスキーヤーやスノーボーダーで賑わいます。
でも、私たちは思うのです。スキーやスノボをしない人にも雪を、冬を、楽しんで欲しい!そこで、ウインタースポーツをする人もしない人も、老若男女誰もが気軽に楽しめる「雪上競技」を考案しました。それがこの「世界イグルー選手権inあきおおた」なのです。
──今年は暖冬ですが、雪はありますか?
柏崎さん 会場の「恐羅漢スノーパーク」は1月14日からスキー場がオープンとなりました。例年よりも遅い営業となりましたが、そこはやっぱり広島県最高峰の「恐羅漢山(おそらかんざん)」。現在は恵みの雪が降り注いでいます。大会までには十分に積ってくれると思います!
──なぜ「イグルー」? 「かまくら」ではなく、「イグルー」にした理由は?
柏崎さん イグルー作りは、「ブロックを切り出す」「ブロックを運ぶ」「ブロックを積み上げる」「入口を成形する」「隙間を補強する」といった、作業分担とチームワークが重要かつ面白いのが魅力的でした。
競技として考えた時、単純な体力勝負ではなく、各人がそれぞれの得意そうな作業を楽しく進められる面白みがあるため、イグルーを採用しました。日本ではちょっと珍しい、というのもポイントのひとつです。