生活保護でパチンコなぜ悪い?過熱する”最低限度の生活論” (3/3ページ)
■パチンコは「最低限度の文化的生活」に入るのか?
ここまで問題がこじれているのは法律の解釈が曖昧なためだ。
同市が処分の根拠にしているのは、生活保護法第六十条に記された「(受給者は)収入、支出その他生計の状況を適切に把握するともに支出の節約を図り、その他生活の維持及び向上に努めなければならない」との条文。そして同二十七条の「保護の実施機関は、被保護者に対して、生活の維持、向上その他保護の目的達成に必要な指導又は指示をすることができる」との文言だ。
だが後者については「指導又は指示は、被保護者の自由を尊重し、必要の最小限度にとどめなければならない」「被保護者の意に反して、指導又は指示を強制し得るものと解釈してはならない」と付記されている。また、同法は「遊興費の支出」を直接禁じているわけではない。
「ギャンブルは『最低限度の文化的生活』に含まれるのか」「別府市の監視や処分は『最小限度』なのか」といった点で明確な答えが出ておらず、厚労省が「適切でない」と苦言を呈すなど議論が収まらない要因になっている。
論争をよそに別府市は今年3月までに再び見回り調査すると明言し、さらに2016年度はケースワーカーを増員して調査体制を強化する予定。生活保護申請者に「遊技場に立ち入らない」とする誓約書を提出させることも続けている。この強硬なスタンスがさらなる賛否を呼んでおり、今後も激しい議論が続きそうだ。
(取材・文/佐藤勇馬)
- 佐藤勇馬(さとうゆうま)
個人ニュースサイト運営中の2004年ごろに商業誌にライターとしてスカウトされて以来、ネットや携帯電話の問題を中心に芸能、事件、サブカル、マンガ、プロレス、カルト宗教など幅広い分野で記事を執筆中。著書に「ケータイ廃人」(データハウス)「新潟あるある」(TOブックス)など多数