異未来SF「ネッ禁法時代」が面白い! 「カクヨム」レビューブログ出張投稿 (2/3ページ)
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そして僕こそが、本作品「ネッ禁法時代:東京試炸例(トーキョー・バースト・プロトタイプ)」を、無意識のうちに、そうしたあなどりの目で見てしまっていた一人であることを懺悔しなければなりません。
僕は「小説家になろう」や「エブリスタ」といった従来のWeb小説サイトを以前から利用していました。しかし正直なところ、面白い小説に出会えることはあっても、クオリティ面で満足できると感じた作品にはほとんど出会えていませんでした。
そんな状況だったからこそ、本作品を読んでいるときに気づきました。「Web小説にしては面白い」「アマチュアの作品にしては面白い」――カクヨムローンチ以降、何十作品も目を通すうちに、そんな感覚で読書をしていた自分に。
だからこそ声を大にして紹介したい作品です。
「ネット免許制」が導入された異未来SF
「ネッ禁法時代:東京試炸例(トーキョー・バースト・プロトタイプ)」は、そもそもコンテスト用に投稿された作品で、規定の10万文字を大幅に超える37万文字あるけど、とにかく読んでみたら面白いのわかりますので!!!
本作品は、かつて藤井太洋さんがKindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)を利用して個人出版した『Gene Mapper』で電子書籍の地平を切り開いたように、カクヨムという場所を最高に盛り上げてくれる、目を見張るクオリティの作品です。
本格的な作品ですが、ぜんぜん堅苦しくなんかない。なんたって、とにかくむちゃくちゃに面白いエンターテイメントです。
本作はネット免許制が導入された、イマココとは違う二十一世紀の物語。
そう聞くと「表現の自由」とか「ネットの自由」をめぐるテーマではないかと安直な発想をしてしまいがちです。しかし本作は違う。主人公やその仲間たちは、むしろ「ネット免許制」を推進する側の人間。さらに、2016年の注目すべき革新的技術のひとつにも選ばれている、まさにトレンドというべき「自動運転技術」というモチーフを盛り込んだ意欲作です。
現代の僕たちにとって代表的な身分証明書というえば「運転免許証」です。