現役内科医が教える「医者に殺される患者、生かされる患者」(4)看護師さんに味方になってもらおう

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現役内科医が教える「医者に殺される患者、生かされる患者」(4)看護師さんに味方になってもらおう

 そして当然のことだが、患者が「自分の健康についてどう思っているのか」という気持ちは、医師に伝わるもの。

「患者さんに対して医者は具体的な治療内容や計画を告げるはずです。でも患者さんから『その方法は嫌です。やりたくありません!』と言われれば、わかりましたと答えるしかないんです。医者も人間なので、時間に追われる中、毎回同じことを繰り返すのは面倒ですし、嫌な顔をされたらそれ以上言いたくない。結局、患者さんが損をしてしまうということになるんです」

 さて、病院での治療が終わった。あとは薬をもらって帰路につくことになるが、薬の説明を受ける際にも、命運を分けるポイントが存在した。

「よく医者に薬の飲み合わせや保存法を聞く患者さんがいますが、これは間違い。医者は薬の成分や副作用については把握していますが、性質については詳しく知りません。中には冷蔵庫で保存しておかないと効果が薄れてしまう薬もあります。飲み合わせや保存方法などについては、医者ではなく薬剤師さんに相談すること。これを間違えないようにしてください」

 とはいえ、通院しても病状が改善せず、そのまま入院となる場合もあるはずだ。この場合も「生かされる患者」になるため、忘れてはならないポイントがある。それが看護師を味方につけることなのだ。

「今はチーム医療の時代です。たまに入院患者さんの中で看護師を下僕のように扱う人がいますが、そういう患者さんは基本、いい医療は受けられないと思ったほうがいいでしょう。なぜなら、病院は看護師で回っているからです。ですから看護師を適当に扱うと、患者さん自身も適当に扱われてしまうだろうし、逆に看護師の評判がよければ、間違いなくいい医療が受けられるはず。つまり、快適な病院生活を送るためには、看護師を味方につけるのが一番というわけです」

 医師も看護師も患者も同じ人間である以上、円滑な関係を築くためには、やはりお互いのコミュニケーション能力が必要ということになる。

 わざわざ診察を受けに行って、命を落としては元も子もない。我々も患者力を高め、「殺されない患者」「生かされる患者」になるための準備が必要なのだ。

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