世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第176回 事実上のゼロ成長 (3/3ページ)

週刊実話


 日本、アメリカ、フランス、カナダ、イタリアの5カ国は、協調的な財政出動で合意可能だ。問題は、残る2カ国、特にドイツである。

(4)財政健全化目標の「修正」ができるのか。
 プライマリーバランス黒字化などというナンセンスな目標を捨て去り、政府の負債対GDP比率というまっとうな(相対的に)目標に変更できるのか。

 特に重要なのは実は(4)で、財務省や財政至上主義の政治家たちは、いまだに、
 「プライマリーバランスを黒字化させなければならないから、予算は増やせない」
 と、経世済民を無視した財政均衡主義の教義を貫こうとしている。結果、熊本・大分地震の復興予算すら「国債金利のマイナスで浮いたおカネ」を回すという異様な経済政策が続いている。国債発行は断固拒否、という状況だ。

 プライマリーバランス黒字化目標を破棄もしくは「事実上の破棄」にしなければ、たとえ今回、増税延期や財政出動が決まったとしても、'17年度には元に戻ってしまう。短期のプライマリーバランス目標を掲げている以上、長期的な「非・緊縮財政」は不可能なのだ。
 安倍総理が本気で日本経済をデフレから脱却させたいのであれば、プライマリーバランスなどという「デフレ化目標」の破棄を宣言するべきだ。

みつはし たかあき(経済評論家・作家)
1969年、熊本県生まれ。外資系企業を経て、中小企業診断士として独立。現在、気鋭の経済評論家として、分かりやすい経済評論が人気を集めている。
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