世の中おかしな事だらけ 三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』 第176回 事実上のゼロ成長 (1/3ページ)

週刊実話

 先ごろ、内閣府から2016年1〜3月期の国民経済計算速報値が発表された。実質GDPの成長率は、対前期比0.4%、年率換算で1.7%。もっとも、今年はうるう年であった。うるう年で2月が1日分多くなると、対前期比0.3%、年率で1.2%、GDPがかさ上げされることになる。というわけで、うるう年分を省くと対前期比0.1%、年率換算で0.5%成長といったところである。事実上の「ゼロ成長」という話だ。
 2015年度通年の成長率は、0.8%。2年度連続のマイナス成長は、何とか回避することができた(改定値で修正される可能性はあるが)。とはいえ、民間最終消費支出は'14年度の▲2.9%に続き、'15年度も▲0.3%とマイナス。消費税増税で大きな落ち込みになった'14年度“以上に”消費が小さくなってしまった。

 名目の金額で民間最終消費支出を見ると、'13年度が約295.7兆円、'14年度が約293.2兆円、'15年度が約291.7兆円と、着実に下がってきている。
 特に'15年度の民間最終消費支出が、対'14年度でマイナスになったことは衝撃的だ。'14年度に消費税増税で大きく落ち込んだ以上、'15年度に多少の「反動」はあってもよさそうなものだが、実際には「さらに落ち込む」という結果に終わったのである。
 消費税増税の悪影響は長期化するという筆者の持論が、残念ながら証明された形になってしまった。

 消費税増税推進派は、
 「消費税を増税して社会保障を安定化させれば、国民が安心しておカネを使えるようになり、消費が増える」
 などと、奇想天外なレトリックを主張していた。現実には、消費税増税により国民は「安心しておカネを使う」どころか、むしろ消費を減らしているのである。実質賃金が小さくなってしまった以上、当たり前だ。

 また、個人的に気になるのが「インフレ・デフレ」の判断の源であるデフレータの動きになる。左ページの図の通り、消費税増税で一時的に跳ね上がったGDPデフレータの上昇率がゼロに接近しつつある。しかも国内需要デフレータに絞れば▲0.5%であり、すでにマイナスに落ち込んでいる。

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