超低金利でも売れない… 不動産販売バブル崩壊の裏事情 (2/2ページ)
4000万円近いマンション購入は厳しい」(同研究所の入谷省悟所長)
国内屈指のリゾート地、沖縄県那覇市でもマンション価格は高騰している。那覇市内の地上30階建ツインタワー高級マンション『リュークスタワー』で分譲された1億3000万円の部屋は、3倍の倍率で購入者が決まった。平均3700万円前後の分譲で676戸が想定より1年早く完売したが、購入者の約半数は運用目的などの県外在住者だという。
主要都市を中心に建設されるマンションは、全国的に高値高止まりの傾向が昨年夏頃から続いている。'15年の全国のマンションの発売戸数は'14年比6.1%減の7万8089戸。前年割れは2年連続だ。
今年に入り、さらに発売戸数の減少に拍車が掛かっていることを指摘する不動産関係者もいる。昨年の秋に発覚した横浜マンションの傾斜事件が影響しているというのだ。同事件は虚偽データに基づいた工事で、複数の杭が地中の強固な地盤に届いておらず建物が傾く不祥事が発覚した。前出の不動産鑑定士が語る。
「分譲に至るプロセスを相当厳しく時間をかけてチェックし、工事期間が延びたりするなど慎重になる業者が増えました。ただ、一般的にデベロッパーや購入希望者間では、あの問題がそこまでネックになっていることはありませんが…」
冒頭での指摘、日銀の黒田東彦総裁が放った“黒田バズーカ”のマイナス金利も、本来はマンション分譲には追い風になるはずだったが、成約率は上がるどころか落ちる一方だ。
「もともと金利は低かったし、マイナス金利がさらなる風にならなかっただけ。やはり価格が下がらないと手が出ないでしょう」(同)
デベロッパー関係者も危機感を漏らす。
「都心では、赤坂ミッドタウンに連なる場所に建設される地上44階建ての超高層タワーマンションに設定された15億円という最高価格住戸が売れました。京都では、鴨川を臨む瀟洒なマンションが7億円台でも完売。デベロッパー間でも、一部富裕層には『まだまだ売れる』という強気の空気もあります。しかし、中国経済が減速し、日本も株安基調。アテにしている富裕層が突然に消えかねません。もう少し裾野を広げないといけないでしょう。来年4月予定の消費税10%をやるのかやらないのか、その見極めも大きなポイントになりますね」
ジワジワと下落する成約率に業界の不安は尽きない。