「これが最後のチャンス」ジャーナリスト・安田純平氏のメッセージから読み解けるもの (3/4ページ)
身代金をもらって一攫千金したいがこの日本人を殺すのはちょっと......と躊躇しているのかもしれない。
百戦錬磨の安田くんだけに、そうした彼らの純朴さを見抜き、長い時間をかけてずっと説得をしてきたのかもしれない。そして世話役との間にある程度の信頼関係を作り上げたのではないか。だとすれば怒ってガンを飛ばすのももっともである。信用していたと思ったらビデオを前に話しをさせられたり、日本語によるメッセージを掲げさせられたりということを強要させられたのだから。
今回の一件について周辺の動きで、二つ気になることがある。
ひとつは仲介人たちの動きである。昨年12月の「国境なき記者団」ウェブサイトに掲載されたニルス・ビルドによる「武装勢力は身代金を要求している」という内容の文章、3月そして今回、タリク・アブドゥル・ハクというシリア人によるビデオや写真のネット公開、そしてそれを受けての西谷文和というフリージャーナリストの取材・メディア出演。彼らの動きについては、安田くんの家族に断りなく行っているようで、家族たちはいたく迷惑がっているという話だ。ニルス・ビルドの文章では5000万円だった身代金が、西谷のツイッターでは11億円とはねあがっていることからも、こうした外部の人間たちの動きが、交渉を複雑化させていることは想像がつく。
https://twitter.com/saveiraq/status/737128887369400320
もう一つ、気になるのは、安田くんよりも1カ月後に拘束されたスペイン人フリージャーナリスト3人のことである。彼らは安田くんよりも早く、今年の5月上旬に解放され、スペイン政府は「同盟国や友好国、最終段階では特にトルコやカタールの協力のおかげで実現できた」という声明を出したのだ。スペイン政府はいったいどうやって解放までこぎ着けたのだろうか。
http://www.afpbb.com/articles/-/3086342
安田くんの家族を困惑させている仲介人をシャットアウトし安田くんの力を信じるのか。それとも家族に迷惑がられている仲介人たちを排除し、別の仲介人を利用して日本政府は交渉を進めるべきなのか。後者の場合、信用のおける仲介人はどこにいるのか。