つまづきを長所に変えて~『ダンボ』のたどった苦難の道(前編):高橋ヨシキ連載2 (2/7ページ)

ブッチNEWS

謎めいた女性はサイドショーでは定番だったエキゾチックな占い師かもしれません。『ダンボ』のサーカスのモデルになったのは「リングリング・ブラザーズ&バーナム&ベイリー・サーカス」という、当時全米最大の規模を誇ったサーカスですが、このサーカスにもサイドショーはもちろん付いていて、ダンボの時代にも「ビルマからやってきたキリン首の女性」だとか「口唇に板を埋め込んだウバンギ族の土人」(どちらも当時のポスターの文言による)などが、「世界最大のゴリラ〈ガルガンチュア〉」と並んで華々しく宣伝されていました(お断りしておきますが、これはあくまでも当時のバーナム&ベイリー・サーカスが「見世物」として少数民族やゴリラを並列に扱っていたという事実に基づくもので、それが現代の目から見ると極めて差別的であるということは言うまでもありません)。ディズニーは実際にアニメーターやイラストレーターをこのサーカスに派遣、映画作りの参考用に多くのスケッチが描かれ、写真が撮影されました。『ダンボ』に出てくるサーカスの巨大なテント、パレードの様子、またサーカス列車などは、ほぼ忠実に当時の「バーナム&ベイリー・サーカス」を再現したものです。「バーナム&ベイリー・サーカス」は自ら「地上最大のショウ」と銘打って興行していましたが、この「地上最大のショウ」という言葉はのちに同題の映画『地上最大のショウ』(1952年)に使われることになりました。

・1940年代の「リングリング・ブラザーズ&バーナム&ベイリー・サーカス」の舞台裏の貴重なカラー写真。
http://www.theatlantic.com/entertainment/archive/2011/09/1940s-color-photos-of-the-ringling-brothers-barnum-and-bailey-circus/245365/

奇形とマイノリティが手を取り合う

 端的に言って『ダンボ』は奇形と差別にまつわる物語です。
 これは悪趣味を標榜したいがためにそう言っているのではなく、実際に『ダンボ』はそういうお話です。映画の中でも、意地悪なおばさんゾウが「こうなったのも全部、あのちびのF-R-E-A-Kのせいなんだから」と、わざわざ区切って「フリーク(奇形)」という言葉を強調しています。

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