日本初の人工知能クレープ専門店。究極の味を目指す人工知能は、いかにして成長し続けるのか? (3/5ページ)

FUTURUS

「いまは作成するレシピをクレープだけに絞っているため、基本のレシピのみではいわゆるビッグデータにならず十分な学習が期待できません。かといってあらゆる料理のレシピを入力すると、クレープと関係ないデータが多すぎて、クレープ以外のレシピが出力されてしまいます。では『クレープとクレープに応用できそうなレシピのデータだけ抽出すれば良い』と考えられますが、最適なデータをどのように判別するか、という問題があります。これが非常に厄介なところです」


■ 独自の学習によって、人間の感性に近づける

広大なWeb上から最適なレシピのみを選定し、チューニングしていくことのハードルの高さを感じつつも、まったく方法がないというわけではないようだ。

「その問題に対処するため、先述のように、基本のレシピはWebのデータをほぼそのまま用いて人工知能にレシピを提案させ、人間が実際にレシピを再現し、その結果をフィードバックして人工知能を機械学習させるという手法をとりました。もちろんこの方法もビッグデータを取り入れられないという問題がありますが、ここで独自アルゴリズムを用いることで、実際のビッグデータがなくても人間の感性に近づけることができるのではという仮説を立て、実際に試しています。そこで思った以上にうまくいっていますね」

幅広くデータを収集しなくても、フィードバックを繰り返すことによってより人間の感性に近づけていく。この行為そのものが、失敗を繰り返しながら自分自身で成長していく、人間の成長過程に似ているように思える。そこでespritも確かに成長していっているようだ。

「クレープやクリームなど、組み合わせ要素が少ないレシピについては手応えを感じ始めています。まずはこのまま研究を継続して、今後はより複雑な料理、たとえばラーメンのスープのような、使用素材が非常に多く工程も複雑な料理にもチャレンジしてみたいです」と、石井さんの意気込みも感じられる。

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