【プロ野球】大人も子供も夢中になった! 伝説の野球ゲーム「ファミスタ」で振り返る、30年前のプロ野球 (2/3ページ)
■初代ファミスタは“1985年のプロ野球”
30年を経ても野球ファン、ゲームファンに愛され続ける名作「ファミスタ」。その背景も今一度おさらいしておきたい。
発売開始は1986年12月だが、選手のデータに関しては1985年の成績が基になっている。1985年といえば、阪神が日本一を達成した年とあって、阪神がモデルの「Tチーム」がやたらと強い。特に、「ばあす」「かけふ」「おかだ」のクリーンナップの破壊力はすさまじい。そのためか、この初代ファミスタは関西でバカ売れしたという。
ちなみに、1986年を経て87年から阪神の暗黒時代に突入するわけだが、チームが弱くなるのにあわせて、当然、初代以降のファミスタでは阪神選手のパラメータも低くなる。そんな状況に、開発チームには「関西で売れなくなるから、あまり弱くしないでくれ」と営業部からクレームが来た……なんて逸話も残っている。
■「人気のセ」だった時代。鉄道系が隆盛だった時代
30年前の初代ファミスタ。今となっては驚きなのが、そのデータ容量の小ささだ。スマホで撮影する写真1枚よりも小さいデータ容量で作られていた。
そのため、12球団のデータを揃えることは叶わず、プレーできたのは全10チーム。セ・リーグ6球団をモデルにした6チームと、食品系球団(日本ハム、ロッテ)が合わさった「フーズフーズ」、西武以外の鉄道系(南海、阪急、近鉄)が合わさった「レイルウェイズ」、そして「ナムコスターズ」の計10チームだった。
セ・リーグの偏重ぶりに、当時の「人気のセ」を垣間みることができる。その一方で、30年後に「レイルウェイズ」のモデル球団がすべてなくなっているとは、当時は誰も予想できなかっただろう。