大麻のせいで19人殺害?懸念される”医療大麻”への影響を考える (2/2ページ)

デイリーニュースオンライン

 そして、そこに今回の障害者施設殺傷事件が発生し、容疑者に大麻使用の前歴があったということで、個人的にはこれからの流れを非常に危惧しています。山本さんの一例だけで大麻使用とがん治療の因果関係を断じることができないのと同様に、植松容疑者の一例で大麻使用と大量殺人の因果関係を断ずることもできません。(大麻の医学的効用が「ある」「ない」と議論されているのと同様に、精神病に関する副作用も「ある」「ない」と議論されています)

 よって、どちらの事例も多数の大麻使用例の内の一例として処理すべきなのですが、いかんせん今回の事件はインパクトが大きい上に、大麻は非常に分かりやすい「答え」に見えるため、世論がそちらに流れ、過度に悪いイメージが付いてしまいそうな気がします。

 今は元気な私たちも、いずれはがんを始めとする難病にかかるかもしれません。そして、その時に、大麻の医学的有効性が確認されていながらも、法整備が追いついていないという状況に直面するかもしれません。必要なのは正確な認識であり、そのための研究です。今回の事件のインパクトで、その流れにストップが掛かってしまわないことを切に願っています。

著者プロフィール

作家

架神恭介

広島県出身。早稲田大学第一文学部卒業。『戦闘破壊学園ダンゲロス』で第3回講談社BOX新人賞を受賞し、小説家デビュー。漫画原作や動画制作、パンクロックなど多岐に活動。近著に『ダンゲロス1969』(Kindle)

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