大人なぜなに科学相談室。回答するまでにとんでもなく時間がかかった10の科学的疑問 (4/8ページ)
ところが、盲腸がなくとも人が生きていけることは確かに間違いない一方で、盲腸の隠された役割が明らかになっている。それは危険な感染と戦う善玉菌の援軍を待機させておくための兵舎であるという。
これはコアラの盲腸を調査することで判明した。実は彼らの盲腸は長く大きい。ユーカリの葉しか食べないコアラは餌を消化するために補助を必要とするからだ。そのために、もしコアラの餌が数千年をかけて変化したのだとしたら、盲腸も人間のものと同じように短くなるのではないかと推測されている。
こうした結果があるとはいえ、これは何が何でも盲腸を手放すべきではないということではない。虫垂炎になったときは素直に医師の診断に従おう。・5. 記憶を受け継ぐことは可能か
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後成的遺伝学とは、遺伝子が環境によって変化し、それがDNAに書き込まれて後世に伝えられる仕組みを研究する学問だ。例えば、食習慣や環境毒への曝露のようなものは、子孫に特定の食物や化学物質への感受性を受け継がせる場合がある。最近までわからなかったことは、経験も同様に後世に遺伝されるかどうかだ。例えば、親がトラウマになるような子供時代を送っていたとして、それは子供のDNAを変えるのだろうか。
テルアビブ大学の研究では、これが実際に起きることを確認したのみならず、詳しいメカニズムまで明らかにした。小RNA分子にDNA修飾の受け継ぎを容易にするうえで重要な役割があることは以前からわかっていた。蠕虫での後成遺伝的な反応を測定することで、小RNA分子が複製していることを示す酵素の単離に成功。これによって数世代にわたって後成遺伝的反応が伝わることが確認された。
さらに、このスイッチを操作することで、後成遺伝的反応(例えば、前世代が学んだ恐怖の継承)を思い通りに続けさせたり、終わらせたりする方法も発見した。