惜敗も手応え。無力感から充実。NEC山田龍之介、トップリーグ初出場。 (1/3ページ)
努力を重ねる姿勢が評価され夏合宿MVPにも選ばれたNEC山田龍之介。入社3年目の開幕戦で初めてのトップリーグ出場を果たした(撮影:松本かおり)
サービス精神旺盛なキャプテンは、試合後の記者会見を終えてロッカールームに戻るとき、「あそこに僕がいたらキャッチできたかなあ」と言いながら巨体と右腕を上に伸ばしてみせた。
「ボール1個か2個分ですかね。宮前があと40cm大きかったら。あるいは、数年前までの大きなWTBたちだったら取れたかもしれない」
HO瀧澤直主将は、紙一重のところまで追い詰めたと言いたかった。
「勝てなかったことは悔しい。でも、みんなの頑張りに胸を張っていい戦いだったと思います。我孫子に戻って、またいい準備を重ね、次の試合こそ…と思える内容でした」
20-23。8月27日、NECは今季初戦でリコーに競り負けた。
3点差を追うラストシーン。残り10秒あまりで得たPKを右タッチに蹴り出し、ラインアウトからモールを押し、順目にアタックを重ねた。左中間ラックから出たボールを途中からSOの位置に入っていたサム・ノートンナイトが右にキックパス。しかし、そのボールはWTB宮前勇規の頭上を超えてタッチへ…。
フルタイムの笛。グリーンロケッツの逆転劇は成らなかった。
悔しい敗戦も、長いシーズンのまだ初戦。主将は仲間を称え、前向きだった。
誇ることができるチームメート。そのうちのひとりが前半23分からピッチに立ったLO山田龍之介だ。加入3年目で初めてのトップリーグ出場だった。長髪を振り乱してラインアウトジャンパーを務め、走り、ブレイクダウンワークで地に這っては何度も起き上がった。
「週のはじめにメンバー入りを言われました。絶対に緊張するだろうな、と思ったので、それなら試合までの練習に緊張して臨み、それを乗りこえられたなら本番では大丈夫だろうと考え、そんなアプローチをしました」
しかし、先発LO小野寺優太にアクシデント。予想していた時間より随分早く出番がまわってきたから、やや慌て気味に飛び出した。
「グラウンドで聞くSOの指示の声。そしてスタンドの歓声。