アパレル業界大苦境… 日本型ブランド信仰と悪しき商慣習 (2/2ページ)

週刊実話

“百貨店アパレル”というカテゴリーでくくられる高級ブランドについては、売り上げは軒並み減少基調となっているのだ。
 最近は、そのファストファッションですら苦しく、今年5月には米ギャップが低価格衣料『オールドネイビー』の日本撤退を発表したり、日本を代表するファストファッション『ユニクロ』も、今期の上半期は来客数が前年を下回るなど、先行きについては決して順風満帆とは言えない。

 こうした業界全体の低迷が長引くとともに、さまざまな慣習について批判的な声も目立つようになってきた。もともとアパレル業界は、アパレル企業と製造事業者の間では「未引取り」や「歩引き」といった古い慣行が残り、いわゆる商流における“川上”の負担が問題だった。さらにアパレル企業と百貨店の間で行われる委託販売では、小売側は売れ残りのリスクを追わない一方で、在庫不足による機会損失のリスクがあるため、過剰注文と在庫が生じやすいなどの構造的な問題を抱えている。そんな、アパレル業界独特のしがらみを改善するべきとの声は以前から大きく、今年に入って経済産業省から「アパレル業界に見られる不合理な商慣習を批判する」旨の勧告を出される始末。ようやく業界全体の活性化に手を付け始めたところだ。

 しかし、一部の業界関係者は「行政の力だけでは早急な改善など見込めない」と言う。
 「20世紀は、ミニスカートやベルボトムなど世界的に大きな潮流が定期的に生まれていましたが、個の時代といわれる21世紀においては、かつてのような大きなムーブメントは生まれにくくなっています。10年前の映像を見ても、今とあまり変わらないファッションに見えますよね。そんな環境下では消費者は新たに衣服を買おうとは思いませんよ。さらにここ数年、若者を中心に、新品の衣料品を買うよりもリサイクルショップで古着を買ったり、個人同士、ネット上で古着などを売買することがトレンドとなっており、その市場規模は年々拡大し、今や新品市場を侵食し始めているのです」(同)

 バーバリーを失った三陽商会の苦境を通じて、絶対的なブランドに対しては盲目的に信仰する日本の消費者と、新たなトレンドに翻弄されつつも、古い慣習から抜けきれない業界構造という、現在の日本のアパレル業界が持つ特徴と課題が炙り出された。

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