捲土重来、来年こそ優勝!ル・マンを戦ったトヨタ車たち【後編】 (3/4ページ)
参戦初年度の98年は、GT1クラスで出走。99年にはGTPクラスで参戦し、総合2位という成績を残しました。
■新世紀ハイブリッドマシン。トヨタ TS03021世紀、クルマを取り巻く環境は大きく変化しました。レーシングマシンもこの流れに逆らえず、ディーゼルエンジン搭載のマシンなどが活躍を見せ始めます。
photo by TOYOTA GAZOO Racing世界初の市販ハイブリッド車「プリウス」を生み出した、トヨタのレーシングマシンでの回答がTS030です。ル・マンを含む世界的なスポーツカー耐久レース、WEC(FIA 世界耐久選手権)への参戦を目的に製作されました。
新設計の3.4リッターV8自然吸気エンジンに、内部抵抗が少なく短時間で充放電が可能なウルトラ・キャパシタを組み合わせて搭載。これがTHS-Rと呼ばれる、レース用ハイブリッドシステムです。
ル・マンには、2012〜13年に出走。初年度は様々なアクシデントに見舞われますが、2013年にはキャパシタの性能改善や排気管の取り回しの改良などが功を奏し、2位と4位で完走を果たします。
■世界を手にした、トヨタ TS0402014年のWEC出場のために製作されたマシンが、TS040です。エンジンは3.7リッターに排気量が拡大された、V8自然吸気を採用。また全後輪ともにスーパー・キャパシタのシステムを搭載し、一時的に四輪駆動で走ることも可能となりました。
この年のル・マンは、2台体制で参戦。予選では、中嶋一貴選手が日本人初となるポールポジションを獲得。しかし決勝では、スタート14時間が経過したところで電気系統のトラブルが発生。リタイアとなりました。生き残ったもう1台のTS040は、アウディやポルシェと同様トラブルに巻き込まれ大きく順位を落としてしまいますが、3位でチェッカー。悔しい幕切れとなりました。
しかしWECのその他のレースでは活躍を見せ、見事2014年のドライバーズ&マニュファクチャラーズの二冠を獲得。WRC(世界ラリー選手権)でのセリカやカローラと並ぶ、トヨタに世界タイトルをもたらした記念碑的マシンです。