捲土重来、来年こそ優勝!ル・マンを戦ったトヨタ車たち【後編】 (4/4ページ)
翌2015年も、トヨタはTS040でWECに参戦。ル・マンでは6位・8位という結果に終わっています。
■まだ見ぬ勝利を信じて。トヨタ TS050いよいよ迎えた2016年シーズンのWEC。トヨタは長年の夢であるル・マン制覇を第一目標に、ニューマシンを製作します。それがTS050です。
photo by Kevin Decherf(CC BY 2.0)約10ヶ月という非常に短期間で製作されたそのマシンは、四輪ハイブリッドという基本構造は変わらないものの、エンジンは2.4リッターのV6ツインターボに変更、蓄電装置もハイパワー型リチウムイオンバッテリーへと改められました。
変わったのは、マシンだけではありません。トヨタのル・マン参戦PR活動も大きく流れを変え「トヨタよ、敗者のままでいいのか。」という大胆なキャッチコピーが掲げられます。日本国内ではキャラバン活動も行われ、トヨタのル・マンに賭ける思いが多くの人に伝わりました。
photo by TOYOTA GAZOO Racing迎えたル・マン本戦。決勝ではポルシェ919と抜きつ抜かれつの手に汗握る攻防を演じ、ついに終盤、TS050(5号車)がトップに躍り出ます。誰もが国産レーシングマシンでの、四半世紀ぶりの総合優勝を確信していました。
しかし、レース終了6分前にTS050はスローダウン。「I have NO POWER!」という中嶋一貴選手の悲痛な叫びが、国際映像を通じて響き渡りました。原因は、ターボチャージャーとインタークーラーを繋ぐ吸気ダクトまわりの不具合によるもの。結局6号車の2位が最高位で、5号車は失格という近年まれに見る非常に悔しい結果となりました。
盤石の体制で、今年こそは!と臨んだトヨタのル・マン挑戦ですが、過去の歴史が示すとおり、ル・マンは総合力こそがものをいいます。
残り6分というところで、涙を飲んだトヨタ。しかしこの悔しい思いは、来年大きく花開く時のための「土づくり」といえるかもしれません。アウディやポルシェという強豪ひしめくWECで、まずは今年チャンピオンを奪還。そして来年こそル・マンで総合優勝し、サルトの表彰台で君が代を聞きたいものです。
捲土重来、日本のモータースポーツファンの悲願達成の日まで、トヨタにはぜひ頑張ってもらいたいですね。
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