森永卓郎の「経済“千夜一夜”物語」 円高トレンドは変わるか (2/2ページ)

週刊実話

そうなれば、当然、為替はドル高・円安に向かうだろう。となると、日本経済は成長軌道に戻っていくが、生活者の立場からは、手放しでは喜べない事情がある。物価が上がるのだ。
 昨年度は、原油価格の下落が日銀の金融緩和の効果を相殺して、物価がまったく上がらなかった。今年度は円高が物価を引き下げている。しかし今後、為替が円安方向になれば、日銀の金融緩和の効果がストレートに出てくるので、物価が上がるのだ。

 7月の消費者物価指数は、生鮮品を除く総合が前年比▲0.5%とマイナスだが、食料とエネルギーを除く総合では0.3%とプラスになっている。景気が失速して雇用が悪化するのは困るが、物価が上がれば生活が圧迫される。
 残念ながら、これから「国栄えて民苦しむ」となりそうだ。

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