おじぎは15度深く!ミステリーショッパーが明かす良質な接客術 (2/3ページ)
アルバイト5カ月目のスタッフは、レジでひとりひとりのお客様に「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」といいながら、ていねいにあいさつとおじぎをしていたのだといいます。
まだ5カ月目で、自分は未熟な点が多いと自覚していたために、一生懸命だったのだろうと著者は分析しています。
一方、経験の長いスタッフは、お客様と目を合わせることなく、あいさつも頭だけペコリと下げる程度だったのだとか。
■お客様は頭の下げ方にも敏感である
お客様のなかには、だらだらと作業されるのを嫌う方もいらっしゃるもの。しかし、単にスピードが速ければいいということでもないはず。
あいさつもなく、商品を乱暴に入れられたのでは、やはりいい気持ちはしないからです。
つまり、頭だけペコリと下げる人と、ていねいに頭を下げる人なら、後者のほうがよい印象を与えるのは明らか。
お客様は、頭の下げ方をも敏感に感じ取っているもの。だからこそ、たった15度のおじぎの差は、想像以上に大きいということです。
■もう15度だけおじぎを深くすべし
そこで著者は読者に対し、「自分の仕事を振り返ってみて、なんとなくあいさつをしていませんか?」と問いかけています。
いうまでもなく、もし「とりあえずのあいさつ」になっていたり、あるいは頭を下げずに声だけであいさつをしたり、逆に、頭だけをペコリと下げるだけだったりするのであれば、とても損をしているということになります。
だからもう15度だけ、おじぎを深くしてみることが大切だというのです。
なお別の側面から見てみても、あいさつというのは、「自分ではやっているつもり」というケースがよく見られるのだそうです。
たとえばあるレストランで著者が接客教育を行っていたとき、ひとりの若い男性スタッフが、ほとんどおじぎをしていないことに気づいたのだそうです。
ところが、そのことを指摘しても、本人にはまったく自覚がなかったというのです。