おじぎは15度深く!ミステリーショッパーが明かす良質な接客術 (3/3ページ)
そこで仕事の様子をビデオで撮影し、本人に見てもらったところ、自分ではおじぎをしているつもりだった彼は、自分の仕事の様子を見てとても驚いていたとか。
そして自分の姿を客観的に見ることで、ようやく自分のおじぎの仕方がよくなかったことを自覚し、「もう15度深く頭を下げるように」という言葉の意味を理解してくれたのだといいます。
■おじぎをセルフチェックしてみよう
そんな経験があるからこそ、普段の仕事の様子を客観的に見てみることが重要だと著者は主張します。
方法は簡単。
スマートフォンなどで動画を撮ってもらい、それをチェックすれば、普段どのようなおじぎをしているかを客観的に見ることができるわけです。
「たった15度の差」だと思うかもしれませんが、その差が満足度の大きな差として表れてくるもの。著者はそう断言します。
ちょっとしたおじぎの違いでそこまで印象が変わってしまうのですから、意識して取り組むべきかもしれません。
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ミステリーショッパーとしての自身の経験をベースとしているだけに、本書での著者の接客に対する考え方には強い説得力があります。人と接する仕事についている人は、目を通してみるべきだと思います。
(文/作家、書評家・印南敦史)
【参考】
※本多正克(2016)『日本一の覆面調査員(ミステリーショッパー)が明かす100点接客術』ディスカヴァー・トゥエンティワン