世界最北と言われた、ノルウェー・トロムセーのマイクロブリュワリーにまつわる、驚きのエピソードとは? (2/5ページ)
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・ 19世紀のトロムセー飲酒事情
このビアホールの創業以前、トロムセーでは飲酒の問題が多発していました。
原因は、質の悪いアルコールの常飲。
アルコールになんと、ヘアートニックや飲料用ではない薬品を混ぜて、アルコール分を高めて飲んでいる人々が沢山いました。もちろん、そういった粗悪なアルコールは悪酔い、アルコール中毒などの状況を巻き起こし、治安の悪化が進んでしまいます。
・ 冬と太陽とお酒の関係
なぜそこまでしてアルコールを飲んでいたかというと、冬が暗すぎるから。
暗すぎる環境のため、人々は気分を紛らわしてくれるお酒が手放せなかったのです。
北極圏では冬場の暗い時間が長すぎるため、人々は鬱の傾向になりがちです。
暗すぎるといっても日本では想像できないかもしれません。
実に冬の4ヶ月間、1日の3/4が暗闇で、そのうちの2ヶ月は太陽が地平線から顔を出さないという環境、日本人では想像できない環境ではないでしょうか。
実は太陽光は人の体内に、疲れから回復する栄養素を作る元となっています。
例えばビタミンD。これが欠乏する事でより疲れを感じやすくなります。それが冬になると自然に摂り入れるのが困難になるという、北極圏特有の厳しい環境には驚きが隠せません。
きっと、世界のどこよりも気晴らしが必要なのが、北極圏の冬なのです。
・ 世界最北!マックビール醸造所の誕生
このような理由で、人々の飲酒問題が深刻化していました。